リングに上がれば1対1、格闘技は個人競技だ。しかし、さらなる強さを求めていくと一人の力では勝てなくなる。ファンの応援はもちろんだが、後押しやサポートをしてくれるセコンドや練習でのトレーナーや仲間などが重要な力となってくるのだ。つまり、チームの存在が大きなものとなってくる。この特集ではその「チーム」にスポットを当て、強さの秘密に迫っていきたい。シュート・ボクセ・アカデミー、GRABAKAに続いての登場は、ダン・ヘンダーソンの二階級制覇達成、脅威の新人ソクジュの登場とまさに飛ぶ鳥を落とす勢いのチームクエスト。チームのリーダー格ライアン氏に話を聞く。
チームクエストの名前の由来はドメイン名の不足から
――「チームクエスト」という名前には、どんな意味が込められているんですか?
「たしか最初の名前は『リングマスターズ』だったと思うよ。リングス時代の試合を見ればわかると思うけど、ダンはリングマスターズのTシャツを着てるんじゃないかな。そして1999年か2000年に、僕はトレーニングをカスタマイズするソフトウェアを開発した。そのソフトというのは、トレーニングしたい人がログオンして各々の詳細な情報を入力すると、その人に合ったトレーニングメニューが出てくるというものなんだ。その頃はインターネットのドメイン名を持っていなくて、僕はそのソフトウェアを『パフォーマンスクエスト』と呼んでいた。そうしたらダンとランディーが『パフォーマンスクエスト』というジムを開いた。そしてジムが一旦閉まってからも『クエスト』の名称だけが残って、そこから『チームクエスト』になったんだ。そう、だから全てはインターネットのドメイン名の不足から始まったんだ。この話を知っている人は少ないと思うよ」
――チームクエストにはどのようなコーチ、トレーナーがいるのでしょう?
「僕とヒース、ダンはレスリング。ショーンはストライキング。ビニシアス(・ペザオ)は柔術を教えている。ソクジュはアスリートだけど、コーチもしている。ソクジュは、僕たちグレコローマンレスリングのバックグラウンドとはまったく違うものを持っているからね。彼のクリンチやテイクダウンの仕方は全く違っていて、見事だよ。みんな互いに教えあっているんだ。本当に素晴らしい環境さ。最近は、チームクエストの若手たちが小さな大会でいい成績を収めてきているよ」
――日本の長南亮選手が練習に来ていますよね。彼の練習ぶりはどうでしたか?
「理由はよくわからないけど、長南とはすぐに打ち解けたよ。彼の事をあまり知らなかったんだけど、ダンに敗れてからすぐにジムに現れたんだ。長南は一生懸命トレーニングをしてたし、心を開いて僕の指示をちゃんと聞いていたね。とてもおもしろいヤツで、カラオケでメタリカを歌ったり、一緒にいると楽しいよ。本当にいいヤツだよ」
チームクエストの未来のスーパースターを紹介しよう
――チームクエストの新しいスターは誰ですか?
「間違いなくソクジュだね。彼がもっと進歩して、ホジェリオ戦の勝利がまぐれではなかったって事をみんなに知らしめてほしいね。ソクジュはまさに僕たちが言ったとおりのゲームプランを実行してみせた。彼の闘いのセンスや成長の証が、あの試合結果につながったんだよ。ソクジュのほかにも、ジェシー・タイラーという大学レスリング出身の若いファイターもいて、彼にも期待している。現在の戦績が4勝0敗で、すごくポテンシャルを持っているよ。他にもたくさんいるけど、みんなまだ名前を聞いたこともないだろうね。でもいつか聞くことになると思う名前だから、紹介しよう。
アート・サントアというファイターは僕たちと5〜6年前から一緒にトレーニングをしていて、彼は本当に頑丈なんだ。ブライアン・フォスターも何年か一緒にやっているし、すごくタフだね。彼は今IFLのリングで闘っている。柔術コーチのビニシアスも、もうすぐ試合をすると思うよ。彼はまだ若いし、トップになるための必要なスキルを全て持っている。
ショーンと僕は闘わないし、ヒースはファイターを引退した。それが他のジムとの違いだと思うし、そしてそれこそがチームにとって必要不可欠なことだと思っている。僕たちのチームにはコーチングに専念しているコーチがいて、さらに現役として今もなお凌ぎを削っているエキスパートもいる。だから両方からいいアイデアを取り入れることが出来るんだ。非常に統制が取れた大学レスリングのトレーニングに似ていて、ウォーミングアップはみんなで一緒にやる。それから僕たちはエキスパートからテクニックを教えてもらい、それを何回も繰り返して身につくように実践をするんだ。それから、僕が考えた理想的な体型を保つための斬新なプログラムもあるし、ここはきちんと規律を守るチームの空気があるから、いつもみんな来月に何をしているかがわかるんだ」