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PRIDE
 リングに上がれば1対1、格闘技は個人競技だ。しかし、さらなる強さを求めていくと一人の力では勝てなくなる。ファンの応援はもちろんだが、後押しやサポートをしてくれるセコンドや練習でのトレーナーや仲間などが重要な力となってくるのだ。つまり、チームの存在が大きなものとなってくる。この特集ではその「チーム」にスポットを当て、強さの秘密に迫っていきたい。シュート・ボクセ・アカデミー、GRABAKAに続いての登場は、ダン・ヘンダーソンの二階級制覇達成、脅威の新人ソクジュの登場とまさに飛ぶ鳥を落とす勢いのチームクエスト。チームのリーダー格ライアン氏に話を聞く。
ダンはヴァンダレイとの第1Rで微笑んだ
――普段のダン・ヘンダーソン選手はどんな人物ですか?
「ダンは今まで出会った人の中で、最も堅実な人だよ。それが競争の世界で成功を収めている、一つの要因だと思うね。彼は5歳のときからずっと競争の世界で生きてきた人なんだ。彼は感情のコントロールが素晴らしく、試合中に悪い状況に追い込まれたりケガを負ったりしても、誰よりも冷静に対処できる。それはきっと天性のものだ。そして、試合に対する情熱は誰よりも強く持っているね」
――ダン・ヘンダーソンは生徒に教えるのも上手いですか? どんなところが?
「おもしろい質問だね。ダンは、彼の回りにいる人のことをとても大事にするんだ。他の人みたいには表現しないけど、チームメイトたちをとても大事にしているよ。真のチームを作るためには、周囲を引き締めることも必要だからね。それにジムに来たら1対1でトレーニングするし、素晴らしいテクニックを持っていて、説明をするのがうまいんだ。それから、ダンは必要以上に動揺することが絶対ない。リングに上がると突然野獣と化すけど、試合が終わればいつもどおりのダンに戻るね」
――ダン・ヘンダーソンがヴァンダレイ・シウバに勝てた理由は何だと思いますか?
「いくつかの要因があると思うけど、1つはこの試合の前に多くの困難があったことかな。ダンは年末からひどい風邪をひいてそれを1ヶ月ひきずり、気管支炎にまでなってしまって、とてもひどかったんだ。それから足首の小さな手術もしたんだけど、その傷の縫い合わせから化膿してしまった。さらにはその反対の足も捻挫してしまうなど、たくさんの不運が大会前に起こったね。僕はトレーニングキャンプの間の8割はずっと心配だったんだけど、試合の3週間前から彼は調子を取り戻し始めて、ジム内ではまさに“恐怖のダン”と化したね。誰にも手がつけられなかったから、もう安心だった。それからは僕も良い予感がしていたんだよ。
 ダンは再戦をそんなに望まないんだけど、ヴァンダレイとの再戦だけはずっとやりたがっていた。ヴァンダレイがタイトルホルダーだったことも大きく関係すると思うけど。最初の対戦の時はヴァンダレイが誰なのかも知らず、『誰と闘うの?』とダンに聞いたら『ティト・オーティズに負けたブラジル人だよ』って答えていたんだよ(笑)。そう、それがヴァンダレイだったんだ。
 この前の試合の話に戻るけど、第1ラウンドでダンが微笑んだ場面があったんだ。それを見たとき、いい予感がしたよ。あの時点でダンの中では試合がもう終わっていて、あとは時間の問題だけだなと言うのがわかったんだ。その後も何度か僕らに笑顔を見せていたよ。
 ダンは完璧にゲームプランを実行したね。ダンが前に出るとき、そのプレッシャーに耐えられる者はごくわずかなんだ。むやみやたらに攻めるタイプではないけど、前に出ているときのプレッシャーは本当に凄まじい。そしてこの前の試合で、まさにそうしたんだ」
ダンにはずっと前からヒョードルと闘って欲しいと言っている
――どうやって2つのベルトを防衛していきますか?
「これから2つのベルトを防衛していくには、たくさんのことをしなければならない。でも、ダンは逆境に置かれたとしても、いつだって乗り越えられるヤツなんだ。リングスのKOKトーナメントの時は、1日にヘビー級の試合を3試合も闘わなければならない状況で、ベストの対応をした。ダンは簡単なことだとギアがトップに入らないんだけど、今ダンの目の前には大きなチャレンジがある。僕は、ダンに3つ目のベルトを取って欲しいんだ。ダンにはもうずっと前からヒョードルと闘って欲しいと言っていて、僕はダンのファイトスタイルはヒョードルと合うと思うんだ」
――体重を増やすんですか?
「ダンの体重はこの15年間、そんなに変っていないよ。だからこれ以上、体重は増えないと思うな。ダンとランディーは、敗戦を経験してここまで来ているというのは知っていると思う。マットもそうだけど、どんな相手でもみんなで一緒に闘ってきたんだ。誰かが壁にぶつかった時でも、チームクエストは少しでも前進させようと頑張ってきたんだよ。
 それはアマチュアレスリング時代から始まっていると思う。大学のレスリングルームはとても汚い所で、そこでやっていたワークアウトはばかげていたね。ここでのトレーニングはハードだけど、それに比べればよっぽどましだよ。彼らは何年間もそれをやってきた。だから彼らはとてもタフだし、そんな彼らが持っている粘り強さはそう簡単に教え込めるものじゃない。ランディーとダンは世界で1番タフだよ。彼らは人生のほとんどの時間をトレーニングに費やしているんだからね。彼らはどんな困難に直面したとしても乗り越えられるし、自然にステップアップできるんだ。彼らは決して逃げ出したりはしない」
――最後に、チームクエストが最も誇れるものとは何ですか?
「チームクエストの選手は、勝敗関係なくすべてを賭けてリングに立ち向かっているんだ。そのことをみんなに是非覚えていてもらいたい。そしてファンのみんなには、チームクエストの試合を楽しんで見てほしいね」