<出席者>(写真左から)
「格闘技通信」田中宏和
「ゴング格闘技」安村将史
広報局局長 笹原圭一
司会/「GBR」熊久保英幸
「kamipro」ジャン斉藤
――地上波がなくなると、ファン離れが起きると思いますか?
ゴン格 PRIDEは地上波で放送する以前から、チケットを買って会場に足を運ぶコアなファンが多かったと思うんですよ。もちろん地上波で放送されて知名度が広がり、ファンが急増したのは事実ですが、地上波がなくなったからといってそれがファン離れに繋がるとは思わない。会場に足を運ぶ人たちは、純粋に闘いを観たいという人たちの集まりだと思いますから。逆に会場で生で観戦したいというファンが増加すると思われます。
kamipro ボクは減るんじゃないかなという気が……。放送打ち切りの仕方が仕方なんで、プラスになることはまずないですよね。それにPRIDEファンでもK-1ファンでもない、普通に格闘技をテレビだけで見ている人は、PRIDEの地上波がなくなったらPRIDEに接する機会がなくなると思うんですね。コア層は見れなくなったら逆に熱が高まるとは思うんですが、そこだって影響がまったくないとは言い切れないですね。
格通 正直、スポーツ新聞などでの扱いも、PRIDE、とくに武士道はK-1などと比べるとまだまだ小さいじゃないですか。このままの形で1年、2年と続いていったらもっと扱いも小さくなったりして、そうなると「PRIDEってまだやっていたの?」という一般の方も出てきかねないですよね。ファンの方が友だちに「PRIDE観にいこうよ」って誘ったら「まだやってたんだっけ?」って言われたり。そうなるのは怖いです。言い換えれば、これまではそういう格闘技をあまり観ていなかった方がテレビでたまたま見て、「じゃあ、こういう大会があるから観に行ってみようか」ということで広がっていった部分があると思うんですよ。そして常連になっていくって感じで。会場に来たら初めての人ほどパンフを買ってみようとか、グッズを買ってみようとかいうのもあると思うので、そういう人たちがいなくなると考えると怖い。
――としてはどうお考えですか?
笹原 当然、ファンは一時的に離れるんじゃないんですか。斉藤さんが言うように、コア層はさらに求心力が高まると思いますが、今までテレビでしか見たことのない人たちはーーそれをファンと呼ぶかというのはありますがーーその人たちにはPRIDE以外にも色んな楽しみがある。地上波がなくなればそっちにいく可能性はあるでしょうし、それはしょうがないでしょう。
――それはテレビ視聴ファンのことですよね。そういう人たちは収益に関係してくるんですか?笹原 微妙に関係します。さっき話に出たグッズの件もそうですし、例えば専門誌さんは別ですが、一般誌でPRIDEの大会告知やインタビューを載せていただくと、「それってどこで見られるの?」という話になるんですよ。今までは地上波があるので『ここで見てくださいよ』という出口があった。それがPPV放送だけになると、特に少年誌とかは「それではウチで情報は扱いづらい」ってなっちゃうんです。
kamipro 専門誌の読者層ってパイがある程度決まってますからね。プロレス・格闘技にまったく興味がない人が、きっかけもなく意識して専門誌を本屋で手に取って、そのままレギュラーになる可能性は極端に低い。一方、テレビの場合は意識しなくても不用意に飛び込んできますから、とば口としては最高のはずなんですよ。
笹原 そういう意味では、ファン層は閉じていって深くはなるが、浅く広くは広がっていかないでしょう。
――うーん…いきなり暗い話になってきました。
笹原 ただ、今この瞬間はそうですけれど、地上波でやりたい局は出てくるでしょうね。
格通 フジテレビでの放映にこだわりたいっていう気持ちはどのくらいありますか?
笹原 やっぱり制作能力は高いですし、これまでやってきたノウハウもある。そこは他局と比べたときのアドバンテージだと思います。もちろん一緒に創ってきたという思いもすごくありますし。それが急になくなって、現場の調整が大変ですよ!(笑)
格通 あおり映像などでの外国人選手の、現地取材がなくなったりしませんかね?
笹原 いや、なくなることはないです。ただ、彼らは過去に蓄積したノウハウや人間関係がありますから、スムーズにできていた。そこをもう一度構築しなくちゃいけないので、まあ多少の手間はかかるでしょう。でも、これはそんなに大きな問題じゃないですよ。
――今回の事件を外国人選手はどう捉えるんですか? やっぱり気にしていますか?
笹原 当然気にはするでしょうけど、日本人ファイターの思う感覚とは随分差があるでしょうね。あまり深刻には捉えていないでしょう。
kamipro 海外のファンやマスコミは事態の深刻さがわかってないみたいですね。「テレビが打ち切り? ああ、そう」というかんじで。
笹原 彼らは別に、日本で地上波を見ているわけじゃないですからね。
ゴン格 これまでは大会前に煽り番組があったわけですけど、それがなくなるわけじゃないですか。そうなると、私たち専門誌がその部分を担う番だと思っています!
笹原 そうですね。ぜひ、お願いします。
――大体、PRIDEって専門誌に対して冷たかったですよね?ゴン格 それはいえますね。
格通 まったくです(笑)。
kamipro あ、ここぞばかりに。
笹原 これは榊原が常々言っているんですが、「PRIDEはいつも専門誌さんと共にある」と!
一同 ええーっ!
――初めて聞きました(笑)。笹原 何を言っているんですか! 「PRIDE」みたいなハードコアで、活字で語ることのできるジャンルは、専門誌でしか本当の面白さを伝えられないじゃないですか! ただ、今後はもっと食事をゴチソウするようにします(笑)
kamipro いやあ、一件落着ですねえ。よかった、よかった……(このあと、『kamipro』の最新号だけ、PRIDEオフィシャルホームページのメディア情報にアップされないことも知らずに)。
格通 まあ、それはいいんですが…いや、よくないか(笑)。ともかく、フジテレビの各番組での扱いがなくなると、格闘技全体の一般へのプロモーションっていうのも落ちますよね。そこから徐々に全体的に格闘技が先細りになってしまうようなことがありはしないか、心配なんですけど…。
――僕の意見では、地上波がなくなる=そのままPRIDEの衰退につながることはないと思うんですけれどね。kamipro だから周辺環境の問題でしょうね。ファンが一番心配なのは、これによって選手が他の団体に行っちゃうんじゃないかとか、興行のスケール感がダウンするんじゃないかとか、そこなんですよ。それよってリング上にも悪い意味で変化が出てくるんじゃないかという懸念がある。
格通 確かにリング上のクオリティさえ下がらなければ、地上波がなくても、絶対口コミで広がっていくとは思いますよ。実際に、地上波が始まる前はそうだったんですから。
笹原 コンテンツ自体に問題があって切られた、という話ではないですからね。リング上のことに関しては、何の心配もいりません。ただ、リング上や選手に問題はなくても、に問題はないのか? という風評が世間に蔓延してますよね。いろいろなところで何度も言ってますが、会社として誰かが犯罪を犯して捕まったりもしてませんし、あることないことどころか全くでたらめな噂が、さも事実であるかのように一人歩きしていますよね。念のために言っておきますが、リング上にも我々にも問題ありませんから! ただ、ファンの方々にご心配をかけたことは本当に申し訳なく思っています。
kamipro 本当におもしろいですよね、週刊誌とかの報道は。一番衝撃的だったのは、『サ○ゾー』で“新しい社長はハッスルの加藤(A)GM代行”って書いてあったことなんですよ! どこもやることが豪快というか、タガが外れてますよね(笑)。
笹原 あははは。加藤(A)GM代行が新社長ですか。それは思い切った人事だなぁ。まあ、ファンの方々はいろいろと不安になると思いますが、安心してください。2ndROUNDを大成功させて、そうした不安を一掃できるようがんばります。