PRIDE無差別級グランプリ2006 2ndROUND
2006.07.01 さいたまスーパーアリーナ
PRIDE
PRIDE無差別級GP 2回戦1R10分、2・3R5分
1R 7分38秒 TKO(タオル投入)
ついにこの一戦が実現する。ファンが選んだ2nd ROUNDで最も見たいカードのナンバーワン。計量では吉田が102kg、ミルコが101.5kgと、なんと僅かながら吉田の方が重い。
 吉田は戦前、「死闘に持ち込むしかない」と悲壮な覚悟を決めている。「一発で終わったら仕方がないけれど、あとは耐えるしかない。最初から最後まで忍耐。僕が組み付くには打撃を出すしかないでしょう」と、肉を切らせて骨を断つ作戦を明かした。ハイキック対策には「ガードを上げておくしかないでしょう」、ミルコのもう一つの武器であるミドルキックには「耐えるしかない」とシンプルに答える吉田。さらには、「道衣は掴んで欲しい。そうすれば密着できるから」と、何か作戦があることを匂わせる。
 ミルコからテイクダウンを奪うことは、あらゆる選手が苦労している。レスリングの実力者であるコールマンでさえ、テイクダウンを奪うことは出来なかった。ヒョードルのように打撃で互角以上に闘えればチャンスも作れるが…。吉田の喧嘩パンチでどこまで追い込むことが出来るかだ。寝技に持ち込めば吉田が絶対的に有利。しかし、その寝技に持ち込むまでが至難の業なのだ。
 一方、そのミルコは記者会見に姿を現し、非常に落ち着いた表情。吉田に握手を求め、笑顔を浮かべる余裕を見せた。「吉田戦は私が決勝ラウンドへ進むためのステップに過ぎない」と言い放ち、ギラギラとした殺気さえ漂わせたミルコ。
 打撃か、寝技か? ミルコか、吉田か? 史上最大の決戦、いよいよゴングだ!
 最初にミルコの入場、クロアチアの国旗をあしらったTシャツを着て、両手を広げて声援に応える。口を真一文字に結び、リングへ。そして吉田の入場だ。サーチライトが場内を照らす中、吉田が道衣に身を包み、ジャパンカラー・ブルーのマウスピースを口にくわえて姿を現した。リングインすると、深々と一礼する。

PRIDE無差別級GP 2回戦1R10分、2・3R5分
1R 2分02秒 チキンウィングアームロック
GP1回戦では裏メインと言われたエメリヤーエンコ・アレキサンダーとの一戦を見事一本勝ちで制したジョシュ。その結果もさることながら、最も驚かされたのはジョシュのビルドアップされた体だ。それまでのぽっちゃり体系から一転、腹筋の割れた絞り込まれた肉体でジョシュはリングに上がった。さらに今回の試合に向けてジョシュはアナハイムで高地トレーニングを敢行。テクニック面での練習はもちろんのこと、体力面での練習にも力を入れ、体重110kg近くにまで落ち、フィジカルの仕上がりは過去最高と言ってもいい。「これまでで一番ハードな練習だったよ」と、ジョシュは過酷なトレーニングを振り返った。開幕戦のアレキサンダーに引き続き、今回の対戦相手であるハントも影の優勝候補に挙げられる強豪。しかし「この試合は厳しい試合になるとは思ってない。スキル、テクニック、引き出しの数ではボクの方が上。ハントに勝つイメージは出来ている」と、ハント対策は万全だ。事実、ジョシュは開幕戦で高阪に対ハントの秘策を授けたという情報もある。さらにスープレックスでKOするさ、とジョシュ。「ジャーマンスープレックスはクラシックで一番安定している技。タカダやゴトウ式のバックドロップもいいな。ハントは重いからキャプチュードは難しいかもね」と余裕を見せる。
 一方のハントはジョシュとは対照的にいつもと変わらぬ様子。「いいトレーニングが出来たよ。体重は前回と同じくらいかな。まあ俺が腹筋を割るには2年はかかるよ(笑)」と笑顔を見せる。しかし「生き残っている選手は全員強いからな」としながらも「ジョシュは過去最強の相手かもしれないね」とジョシュの強さを認めるハント。「戦争みたいな試合になるかもね。俺は前に出て戦わないといけないし、勝ちにいくためにはそうしないとね。この試合に集中してファイナルに意識を向けていくよ」と、ハントらしい言葉でこの試合への意気込みを語った。普段は仲がいいという二人。試合前にグローブを合わせた時にも笑顔を見せ、そして軽く言葉を交わした。

PRIDE無差別級GP 2回戦1R10分、2・3R5分
1R 9分21秒 TKO(タオル投入)
「体格差のことをよく言われますが、体格的にはそんなに変らないですよ」と藤田が戦前に語ったとおり、計量の結果はシウバ99.7kg、藤田107kgと10kg以上の差はなかった。
 藤田は約1ヵ月間の恒例となったアメリカでのトレーニングを行ってきた。今回はコンディショニングを重視した調整をし、体重を絞ってスピードを重視した体を作ってきたという。「最終的にはハートとハートのぶつかり合いになるでしょう。自分の気持ちを相手にぶつけて、向こうも受けてとめてくれれば気持ちいい試合になりますよ」と試合を予想する藤田。前回のトンプソン戦を超える魂のぶつかり合いに期待だ。
「今回の無差別級GPには、何かが足りないというファンの意見を聞いた。それは、チャンピオンが参加していないということだ」満を持して2ndROUNDからの登場となったのは、ミドル級の“絶対王者”シウバである。減量がないためか、今回のシウバは終始リラックス。普段は言わないジョークも飛び出すほどだ。「藤田にヒザ蹴りは何発もいらない。一発で充分だ」と笑い、「藤田がタックルを仕掛けてきたら、ヒザで迎え撃ってやる。もし、グラウンドになっても対応できるし、隙を見てKOだ」と言い放った。「難しい一戦になると思うが、相手は疲れてくるはず。その時に試合を終わらせたい」と、長期戦を匂わせるコメントも残している。
 両者のスタイルや気性から言って、激闘になることは間違いない。最後までリングに立っているのはどっちだ!?
 まずはシウバが登場! 黒い柔術衣に身を包み、笑顔で両腕を挙げて大声援に応える。そして前日まで生えていた髪の毛を反り、いつものスキンヘッドだ。花道を歩いている間も、ずっと客席に向かって微笑んでいる珍しい光景。続いて藤田が白いTシャツ&スパッツで登場。固く閉じていた目をカッと見開き、リングへ向かう。歩を進めるその目は、真っ直ぐにリング上にいるシウバへ向けられている。リングインすると、雄叫びを挙げながら両手を大きく上げた!
 そして、リング中央で激しく睨み合う両雄!

PRIDE無差別級GP 2回戦1R10分、2・3R5分
3R終了 判定 3-0
寝技最高峰の戦いがここに実現! ”柔術マジシャン”ノゲイラと、柔術世界王者のヴェウドゥムが激突する。過去、「柔術時代を通じ、ノゲイラは自分のアイドル。ずっとノゲイラを目標にしていたんだ」と公言していたヴェウドゥムだが、この試合が決まってからは「アイドルではなくリスペクトする対戦相手。どちらの寝技が上かは分からないけれど、ギありでは自分の方が強い。僕は柔術の試合をたくさん経験しているし、そこには自信を持っている。KOも狙っていくけれど、関節技を極めて勝ちたい。そしてアイドルに闘って勝つという夢を実現させたい」と、寝技での勝利を宣言する。試合前には師匠マウリシオ・ミゲール・ペレイラに不幸が起こったヴェウドゥム。「マウリシオ先生とはスペイン、ブラジル、クロアチアと2年間ずっと一緒に行動していたし、事件が起こった時は欠場することも考えた。ただし先生は僕がGPで優勝することを願っていたし、その願いを叶えるためにも僕はノゲイラと闘うことを決めたんだ」ヴェウドゥムは悲しみを乗り越えて、ノゲイラとの大一番に挑む。
「自分が柔術で闘っていた頃は、マルガリータ、ホレッタ、アローナ、フィリオなど、今総合格闘技で活躍している強豪選手たちがたくさんいた。ヴェウドゥムは彼らが柔術を離れた後に、世界王者になったんだ。私の世代の方がレベルが高かったんだよ」とノゲイラ。ヴェウドゥムの世界王者の肩書きは名だけの世界王者と言わんばかりだ。さらに「PRIDEは総合格闘技。柔術だけで総合格闘技で勝つことは出来ない」と、総合格闘家としてのプライドをのぞかせる。相手の光を消すヴェウドゥムの闘い方について「それぞれ試合のスタイルがあるし、それがマッチしないと試合が面白くならないことがある。ヴェウドゥムには動きを止めないで闘って欲しいね」と釘を刺した。またノゲイラにとってはGPを制して、ヒョードルへリベンジを果たすことこそが最大の目的。そのためフィジカル面でのレベルアップに努め、筋肉質な体のまま体重を110kg近くにまでアップさせた。ヒョードルに辿り着くためには、ここで躓くわけにはいかない。
 ヴェウドゥムはマウリシオの写真がプリントされた真っ黒いTシャツを手に入場する。対するノゲイラはTシャツの上からでも分かるほど筋肉が盛り上がっている。

第5試合1R10分、2・3R5分
1R 4分49秒 V1アームロック
PRIDEを背負うという気持ちは誰よりも強いカズ。中尾と同席した記者会見では、「PRIDEを舐めるな!」と激怒して席を立った。「PRIDEでデビューしてからずっとやってるのって、僕くらいでしょう? PRIDEを背負うという気持ちは2年前から持っていますよ」というカズにとって、今回は特に気持ちの入った試合となるだろう。打撃が得意な相手に対して、今回の試合前は伝説の名プロボクサーである高橋直人会長のジムへ出稽古に行き、「インファイトのコツを学んだ」という。高橋会長直伝のカウンターは炸裂するか?
 一方、PRIDE初参戦となるサイボーグは待ちに待ったPRIDE登場だという。以前はパンクラスに参戦したこともあるが、「シュート・ボクセに入ったことにより、テクニックの面で大きく成長した。スタンドもグラウンドもいろんな面でね。かつての俺と今の俺では、まったく違う選手になっている」と、生まれ変わったことをアピール。事実、以前はパンチのみの選手であったが、最近は関節技でも勝利を収めているのだ。
 進化したサイボーグと、日本の主砲。この試合をステップに、さらに上のステージを目指す二人の闘いが今、始まる!
 ロングガウンを着たサイボーグは、背中を向けての登場。フードを深く被り、下を向いてその表情を見せない。爪には“相手の死”を意味する黒いマニキュアが塗られている。トップロープを軽々と飛び越え、リングイン。一方、中村の入場前にはドン平くん4人が『ドン・キホーテ』の曲に乗ってダンスを披露、後から登場した中村も思わず口を押さえて笑いを浮かべる。
 サイボーグがTシャツを脱ぎ、獰猛な表情とタトゥーだらけの体を見せると場内からどよめきが。中村を真正面から睨みつけるが、中村は目を合わせない。

第4試合1R10分、2・3R5分
2R 2分13秒 TKO(タオル投入)
「この試合が決まってからずっとモチベーションが高いんだ。ホジェリオにはいつかリベンジしたいと思っていたからね」と語ったアリスター。振り返ればあの敗戦はアリスターにとって大きな転機となった。ホジェリオ戦の試合内容を評価されたアリスターはミドル級GPにエントリー。ビクトー、ボブチャンチンを撃破しベスト4に進出、無差別級GP前哨戦ではあのハリトーノフをグラウンドのヒザ蹴りで葬った。「ホジェリオに敗れてから、僕はハードなトレーニングをするようになったんだ」というように、あの敗戦の悔しさがアリスターをここまで強くしたと言っても過言ではない。無差別級GP開幕戦ではヴェウドゥムに敗れたが、実は試合前に鼻の手術を行っており、充分な準備期間がなかったという。しかしホジェリオとの試合が決まってからは「ずっとハードなトレーニングを積んできた」とアリスター。アメリカの大会でビクトーと対戦したが、ホジェリオ戦前に試合を挟んだことで集中したトレーニングが出来たようだ。「ホジェリオは穴のないファイターだ。そのホジェリオを相手にどうやって戦うかは試合を見てくれ。一つ約束できることは、皆がびっくりするような試合になるってことさ」と、アリスターはリベンジマッチに向けて静かに闘志を燃やしていた。
 PRIDEでの試合は約1年ぶりとなったホジェリオだが、この1年間はボクシング強化に着手。ブラジルのプロボクサーとスパーリングを繰り返し、ブスタマンチのコーチを務めるクラウジオ氏のジムに通い、時間があれば故郷バイーアに戻って練習した。ブラジルとキューバで行なったボクシングマッチは6戦全勝、昨年11月にはボクシング・ブラジル王者にまで登りつめた。「ブラジルで行なわれるボクシングのパンナム大会には出てみたいし、オリンピックに出るのは私の夢」と、ホジェリオはボクサーとしても一流の道を歩んでいる。しかし「ボクシングをやっているのは、総合格闘技のため。もしPRIDEで試合が決まればそちらを優先する」とホジェリオ。アリスター戦の先に見据えるのはヴァンダレイ・シウバの持つPRIDEミドル級のベルトだ。

第3試合1R10分、2・3R5分
1R 36秒 KO(スタンドでのパンチ)
昨年のミドル級GPではアリスターになんと自分の得意なサブミッション、ギロチンチョークで敗れるという屈辱を味わったビクトー。かつて“超新星”“天才児”と呼ばれた男は地に堕ちた。試合前も暗く、病んでいるような雰囲気を漂わせていたが、約1年ぶりとなる今大会では以前の明るさを取り戻し、「本当のビクトーが帰って来たぜぃ!」と吠える。KO宣言も飛び出した。
 対する高橋はGP開幕戦のハント戦で引退した高阪剛の盟友。ビクトーには「ビビッている」と言いながらも、「相手がどうのこうのではなく、自分に勝つのがテーマ」だと言う。得意のボクシングで同じくボクシングを得意とするビクトーと打ち合っての、KO勝ちを高橋も狙っている。奇しくも高橋がUFCでヴァリッジ・イズマイウから日本人初勝利を収めた日本格闘技界にとって記念すべき日、ビクトーは同じ大会のヘビー級トーナメントで優勝してその名を世界に轟かせた。
 KO必至の打撃戦、打ち勝つのはどっちだ!?
 花道を走り抜けていくビクトー、やる気を感じさせる。高橋はパンクラスのロゴマークをバックに、自らの入場テーマ曲を口ずさみ、左右の腕を大きく振りながらの入場。高橋のセコンドには、放送席に座っていた高阪が付く。

第2試合1R10分、2・3R5分
1R 4分16秒 ドクターストップ
昨年大晦日『Dymanite!!』ヒース・ヒーリング戦でのキス事件で、一躍その名を知らしめた中尾芳広がPRIDEに電撃参戦! 参戦発表記者会見ではキスキャラ全開で、同席していた中村カズを激怒させ、試合直前にはリングネームに”KISS”の文字を入れた。試合前後のパフォーマンスもすでに考えており、「試合同様、本能的にキスしてしまうかも。本人よりもセコンドの方がカッコいいんで、セコンドにキスするかもしれませんよ」と不敵な笑みを浮かべる中尾。これまでのPRIDEにはない特異なキャラクター街道を驀進している。
 さらに「スピード、パワー、スタミナ。ヘビー級の他の選手と比べても引けをとらない。矢野卓見さんと練習させてもらっているから、関節技も一通りマスターしている。グラウンド&パウンドのヘビー級レスラーの概念を覆す」と、試合内容の方でも自信満々。今回の試合に向けて、”ヘリコプター”なる必殺技を見につけ、「スタミナはありそうですけど、僕はフルラウンド闘うつもりはないです。早く試合を終わらせてパフォーマンスのことを考えてます」とウンスを相手にしていない。
 しかしこのウンス、韓国重量級ファイターの中ではトップクラスと呼び声の高いファイターで、ウエイトリフティングで鍛えた豪腕パンチを武器に、”韓国の問題児”というニックネームを持つほどの暴れん坊だ。「もし中尾にキスされたら、ヒーリングのようにその場でぶん殴ることはなくけど、試合で怒りをぶつけるよ」とウンス。その一方で「中尾はこれまで自分が闘ってきた相手の中で一番強い」と警戒心を見せており、中尾にとって決して楽な相手ではない。果たして中尾のビッグマウスはただのパフォーマンスに終わってしまうのか? すべてはこの試合の内容と結果にかかっている。
 中尾を挑発するように『KISS ME』という曲を入場曲に使ったウンス。しかしリングを睨みつけながら花道を歩く姿からは危険な匂いが漂っている。対する中尾は『サンダーバード』のテーマに乗って登場。フードを脱ぐとキスのパフォーマンスを見せて、不敵な笑みを見せてゆっくりとリングへと向かった。
 そしてレフェリーに中央に歩み寄る両者。セコンドの矢野卓見が中尾を後ろから抱きしめて、キスを阻止した。

第1試合1R10分、2・3R5分
1R 4分33秒 アームバー
あまりの凶暴さから『ロッキー4』の悪役ドラゴのニックネームが付いたエジソン・ドラゴ。17歳でアマチュア・ボクシングを始め、ブラジルの州大会を3度制覇、ブラジルの国内チャンピオンに2度付き、南米チャンピオンにも輝いた。総合の戦績は9戦して無敗、判定まで行ったのは僅か1試合のみで全て一本・KO勝ちという驚異的な戦績を誇る。ファン待望の初来日で、どのようなファイトを見せるのか。
 ナツラは今回、「過去の2敗の敗因が分かった。それはスタミナ不足だ」と分析し、スタミナを重視した練習を積んできたのである。ポーランドの英雄は母国にてドキュメンタリー映画の製作が進んでおり、今回もそのカメラが入る。何としてでも1勝を…その思いは今回、特に強い。約4年間にわたり、312戦無敗という伝説を残した寝技王のサブミッションか、それとも南米の拳闘王のパンチか? 異種格闘技戦の匂いを漂わすオープニングファイトだ!
 村上ショージ・リングアナのコールの後、ナツラはポーランド代表のジャージを羽織り、荘厳な入場テーマ曲で入場。表情は険しい。ドラゴはロングガウンを着て、フードを上げるとリング上を睨みつける。花道でダッシュ、その目はずっとリング上のナツラを捉えたままだ。トップロープを飛び越え、リングイン!
大会名称PRIDE無差別級グランプリ2006 2ndROUND
開催日2006年07月01日
会 場さいたまスーパーアリーナ