PRIDE 武士道 -其の六-
2005.04.03 横浜アリーナ
PRIDE
第11試合1R10分、2R5分 マストシステム
1R終了 ドクターストップ
5年という月日を経て、PRIDE完全無欠のヘビー級王者ヒョードルと日本ヘビー級最後の切り札・高阪が再び拳を交える。
 2000年12月、リングスのKOKトーナメントで対峙した両者。高阪はヒョードルから、「先に行かないとやられる」というプレッシャーを感じた。その瞬間から、高阪は後に訪れるヒョードル最強時代を予感したという。しかし、両者のすれ違いは一瞬だった。開始直後に放った両者のパンチが交差し、ヒョードルが右目尻をカット。17秒で高阪のTKO勝利となった。ヒョードルに黒星がついたのは、後にも先にもこの一戦のみである。
「あれは反則のヒジ打ちだった。再戦も組んでくれなかった。フェアな結果ではない」と主張するのはヒョードル。「今回の対戦ではアクシデントすらなくしたい」と、完璧な勝利を誓う。いつものように口数の少ないヒョードルだったが、高阪戦の黒星を「過去の汚点」とし、今回の試合をリベンジマッチと考え燃えている。
 高阪は「やる事は全てやってきた」と練習の成果に満足そうな笑顔を浮かべた。「自分でもリング上で何をするか分からない」とワクワクした表情で語り、「ヒョードルの欠点はチェックした。全て頭の中に入っている」とカード発表記者会見から変わらない、強気の姿勢を見せる。
「私の弱点を発見できて良かったですね。おめでとう。でも、一番大事な事は見つけた事を実行する前に倒されない事ですよ」と、高阪の発言にも動じないヒョードル。氷の皇帝が揺るぎなき牙城を守るのか、それとも高阪が“奇跡”を起こすのか?
 高阪はなんと日本刀を持っての入場! 気合い満点の表情で、ついにPRIDEのリングへ初めて足を踏み入れた。セコンドには吉田秀彦、横井宏考の姿が見える。場内が真っ赤なライトで覆いつくされ、ヒョードルがうつむきながらゆっくりと入場。チャンピオンの風格が漂う。リングインすると顔を上げ、高阪を冷たい瞳で真っ直ぐに見つめた。

第10試合「PRIDE GP ラストワントーナメント」1R10分、2R5分 マストシステム
不戦勝

第9試合1R10分、2R5分 マストシステム
1R 1分15秒 アンクルホールド
リングスで田村潔司を破り、無差別級王座となって意気揚々とPRIDEに参戦したまではいいが、世界の厚い壁に阻まれていいところなし。いつの間にか姿を消してしまったアイブル。2年前にあのボスジムに移籍し、時間を見つけてはラスベガスへ渡って往年の名選手であるジョン・ルイスに寝技を習った。その甲斐あってか、柔術の青帯を取得してレベルアップを証明。「フライング・ニーキックを出すかもしれないし、ボスジムで学んだ新しい技を出すかもしれないよ」と、不敵に笑うアイブルは、「ガンガンと前へ出て試合を楽しむ」と語った。
 試合当日の朝、“リアル・プロレスラー”に変身するという美濃輪。前日に行われたルールミーティングでアイブルの顔を見た瞬間に、「殺してやる」という気持ちが沸いて来たという。「殺らなければ殺られる」その気持ちで挑む美濃輪は、ミレニアム・コーナーに続く新必殺技がいっぱい溜まっているらしい。出るか、美濃輪の新必殺技!
 試合前のVTRで、父方のおじいちゃんが日本人だった事が明かされたアイブル。特にアクションを行うこともなく、無表情でリングインした。一方の美濃輪は日の丸をマントに、“美濃輪マン”となって登場! 花道を走り、テーマ曲に拳を振り上げて場内を煽る! 美濃輪が今回のテーマだという「春風」が吹くのか、それともアイブルの「暴走ハリケーン」が吹くのか! 両者がリング中央で睨み合う!

第8試合1R10分、2R5分 マストシステム
2R終了 判定 3-0
昨年12月のDEEPミドル級タイトルマッチで上山龍紀を破った桜井。これが評価されてのPRIDE武士道本戦出場となった。日本人離れした筋肉の鎧を身にまとい、パワー溢れる打撃が最大の武器。ブスタマンチという総合格闘技界におけるビッグネーム相手でも気負いはない。「相手の名前は関係ないですよ。関節技だって取れるんだったら取りに行く。僕は殴ったり蹴ったりするのが好きなんで、PRIDEのルールは楽しみですよ」と言ってのける。年内に噂される武士道トーナメントに向けて、ビッグインパクトを残したいところだ。これまでPRIDE3戦3敗と、今ひとつその実力を発揮できていないBTTの重鎮ブスタマンチ。しかしそれは93kg以下というミドル級の壁があったからだ。そもそもブスタマンチがUFCでベルトを巻いたミドル級は83kg以下である。これまでPRIDEには93kg以下のカテゴリーしかなく、増量して試合に挑んでいたのだ。ブスタマンチ自身「自分にはこの階級が一番合っている」と語っている。

第7試合1R10分、2R5分 マストシステム
1R 15秒 KO(スタンドでのパンチ)
スーパーヘビー級のド迫力マッチが実現! 古豪モラエスに、巨人の世代交代を賭けてアレキサンダーが挑む。
 前回に続いて走り込みを敢行し、さらなる減量に成功したアレキサンダー。兄ヒョードルと共にオランダ修行を敢行し、ムエタイの技術を身に付けての登場だ。「闘う相手としてはいい相手だろう。モラエスがかつて、ロシアの大会でミーシャに勝っているのは知っているよ。ミーシャは頑張って敗れたが、今度は俺がもっと頑張って勝つ」と、元同門のイリューヒン・ミーシャの敵討ちも兼ねている。
 一方の“柔術怪獣ヒカルドン”ことモラエスは、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ率いるチーム・ノゲイラへ半年前に移籍、38歳にしてさらなる進化を目指している。「俺もアレキサンダーも喧嘩っ早いから、激しい試合になるだろう」と“喧嘩上等”で若い芽を摘もうとしている。
 モラエスが先に、その巨体で現れた。無表情でゆっくりとリング上に歩を進め、静かにリングに上がる。一方のアレキサンダーは右手を大きく上げて登場、充分なウォーミングアップをしたのだろう。その顔にはすでに汗をかいている。ブラジルとロシアの巨獣が、リングという名のジャングルに解き放たれた!

第6試合1R10分、2R5分 マストシステム
2R 3分34秒 TKO(踏みつけ)
高瀬大樹がPRIDEのリングに帰って来た。試合前から「アメージングな試合になる」と語っていた、昨年5月のカーロス・ニュートン戦。勝利こそ手にしたものの、試合内容では観客を満足させることが出来ず、11ヶ月ものブランクが空いてしまった。しかしこの期間に高瀬は弱点とされていた打撃特訓に着手。寝技のトレーニングを封印して、打撃だけに取り組んでいた時期もあったという。「詳しいことは言えないんですけど、周りの人から『いいね』って言われる技があるんです」と、その成果は確実に出ている。生まれ変わった新生・高瀬。アンデウソン・シウバの再現なるか。そしてその高瀬の前に立ちはだかるのが、シュート・ボクセの秘密兵器、ダニエル・アカーシオだ。兼ねてからヴァンダレイ・シウバが日本で試合をさせたいと名前を挙げていたのが、このアカーシオだった。父の影響で格闘技を始め、ルタ・リーブレで黒帯を取得。アカーシオの試合を見たシウバとフジマール会長が、直々にシュート・ボクセ入りを薦めたという逸材。ブラジリアン・トップ・チームの選手たちからも高い評価を受けているという。これが日本デビュー戦だが、自らを「ファイトスタイルはヴァンダレイ・シウバに近い」と形容するアカーシオ。熱望する長南戦へ向けて、長南のトレーニングパートナー高瀬を相手に、インパクトある勝利を残すことが出来るか。

第5試合1R10分、2R5分 マストシステム
2R終了 判定 1-2
打倒・五味隆典の刺客はどっちだ? 武士道ライト級のエースとして快進撃を続ける五味の前に、ブラジルが誇るライト級の強豪2名が立ちはだかり、雌雄を決する事になった。
 シュート・ボクセ・アカデミーが送り込んだのは、立ち技も寝技も出来る“ニュータイプ”のシュート・ボクセ戦士アゼレードである。元々はゴドイ・マカコ柔術に籍を置いていたが、「打撃の技術を向上させ、もっとアグレッシブなファイターに変身するため」にシュート・ボクセへ移籍。かつて桜井“マッハ”速人に敗れた事もあるが、「前回の俺と比べれば、100%実力がアップした。全く違うルイス・アゼレードをお見せしよう」と豪語する。
 ブラジリアン・トップチームから送り込まれたのは、“小型ノゲイラ”の異名を持つブスカペ。武士道其の四で実力者・阿部裕幸を一本に下し、その恐るべき実力を誇示した。五味のライバルとして一躍クローズアップされたが、続く今成正和戦で不甲斐ない試合をしてしまい、大晦日で候補に挙がっていた五味戦は消滅。最強ライバルの座から転げ落ちてしまったのである。「今成戦は急なオファーだったため調整が充分ではなかった。今回は充分な準備が出来たから、阿部戦と同じいい試合が出来るだろう」と巻き返しを狙っている。
 五味戦へ駒を進めるのは、小型シウバのアゼレードか、それとも小型ノゲイラのブスカペか?
 ムエタイ8戦全勝、総合格闘技7連勝中のアゼレードは、余裕の笑みさえ浮かべて入場。ブスカペはゆっくりとした足取りで歩を進め、リングを一直線に見つめながら自らの入場テーマ曲を口ずさむ。シュート・ボクセVSブラジリアン・トップチーム、ブラジルの最強アカデミーがついに激突! 放送席では、その二人が首を狙う五味隆典が試合を見つめている。

第4試合1R10分、2R5分 マストシステム
2R終了 判定 0-3
今回、PRIDE武士道という舞台に大抜擢を受けた中村大介。昨年のDEEPウェルター級トーナメントで格上とされていた小野瀬哲也・星野勇二を破る金星、決勝では中尾受太郎とDEEP史上に残る名勝負をやってのけ、一気に大ブレイクした。師匠田村潔司譲りの回転体の動き、飛びつき腕十字や飛びヒザといった大技を出して、見ているものを常に魅了する。元々は野球少年でUインターファン。U-FILEに入門して初めて格闘技を始めたという、いわば純度100%のU-FILEファイター、田村イズムを骨の髄まで染み込ませているのだ。初の大舞台にも「やることは同じ。いつも通り、動き続けてスピードでアウレリオをかく乱します」と言ってのけた。ZST-GP王者、ホイラーを倒した男としてPRIDEデビューを果たしたアウレリオだったが、三島☆ド根性ノ助に判定スプリットで惜敗。昨年末からはオランダに渡り、地元のキックボクサーたちとムエタイ特訓を敢行した。打撃でも寝技でも一本・KOを狙うというスタイルでは一致する両者。中量級ならではのスピーディな試合になることは間違いない。田村潔司が見つめる中、ゴングが鳴らされた。

第3試合「PRIDEミドル級グランプリ ラストワントーナメント」1回戦1R10分、2R5分 マストシステム
1R 3分13秒 トライアングルチョーク
今回のラストワントーナメントに賭ける、小路の意気込みは尋常ではない。1日2試合、勝ち上がっても3週間後にはGP本戦が待ち受けているという過酷なシチュエーション。それでも小路は「俺がやらなきゃ誰がやる」と出場を即決した。PRIDE.1から出場している唯一の選手、その根底にはPRIDEの道を切り拓いてきたとの自負がある。「道なき道を開拓してきた。整備された高速道路を後から走ってきたようなヤツらには絶対負けない」。同じく初期からPRIDEを引っ張ってきたボブチャンチンが見事な復活を遂げ、GP本戦に駒を進めている。俺も続くぞ! 小路は燃えている。
 寝技世界一決定戦と呼ばれるアブダビ・コンバットの無差別級を制し、その名を全世界に轟かせたリスター。昨年7月、満を持しての武士道参戦を果たしたが、本領発揮ならずファンから不評を買う試合をしてしまった。しかし、世界の寝技王は同じ失敗は繰り返さないという。「それまでやってきた試合と、PRIDEで求められる試合が違う事が分かった。今回はPRIDE用に練習してきた」と、捲土重来を胸に秘めている。
「死んでも勝ちあがる」との決意を固めた小路か、それとも「真の実力を証明する」と名誉挽回を誓うリスターか。究極のサバイバルマッチが今、始まる!
 昨年の大晦日にデビューしたルーロン・ガードナーに寝技を伝授したというVTRが流れ、青い柔術衣を身にまとって入場したリスター。フィリオの一本勝ちを見て、かなり気合いの入った表情だ。小路は右拳を突き上げて登場、花道の途中で立ち止まり自ら手を叩いて拍手を煽る。セコンドには「先生」と信頼するマット・ヒュームの姿がある。

第2試合「PRIDEミドル級グランプリ ラストワントーナメント」1回戦1R10分、2R5分 マストシステム
1R 4分22秒 アームバー
PRIDEミドル級GPへの出場権をかけた戦いが今始まる!GP出場の当確線上に位置するミドル級ファイター4人によるワンデイトーナメント。その第一試合に登場するのが、アマール・スロエフとパウロ・フィリオだ。アマール・スロエフはチャック・リデル、フィル・バローニといったUFCトップファイターと真っ向から殴り合ったストライカーとして、『PRIDE武士道 其の四』に登場したスロエフだったが、ADCC王者のディーン・リスターとの一戦では互いの持ち味を消してしまう結果となった。しかし裏を返せば、リスターに一度も寝技の展開を作らせなかったのは流石。その実力は確かなものだ。その証拠に逆ブロックの小路、リスターは共に「決勝にはスロエフが勝ち上がってくるだろう」と予想している。対するパウロ・フィリオはヒカルド・アローナらと並ぶブラジリアン・トップ・チームの新鋭。パワフルなテイクダウン力を武器に、これまで日本人相手には無敗を誇っている。今回の試合に向けてムエタイのトレーニングを力を入れたというフィリオ。その理由を「スロエフ戦だけを見据えたものじゃない。これから先のことを考えて打撃を磨いてきたんだ」と語っている。テイクダウンを含めたスタンドの攻防がこの試合の鍵を握る事になりそうだ。前回同様、タキシードとシルクハット姿で現れたスロエフ。フィリオの後ろにはマリオ・スペーヒーがセコンドに付く。

第1試合1R10分、2R5分 マストシステム
1R 4分26秒 アームバー
「第1試合に選んでもらって光栄。判定はない。どちらかがぶっ倒れる試合をする。もちろん勝つのは私です」と、試合前に宣言した大場。元バトラーツのプロレスラーながら、この数年間は総合格闘技に専念し、「本当に強い、自分がファンだった頃のプロレスラーを体現する」ためにDEEPを始め様々な団体を渡り歩いてきた。「プロレスラーのプライドを持ってリングに上がる」と言う大場は、自らに課せられた大任を果たす事が出来るか?
 一方、これがPRIDE初参戦となるカーンは韓国格闘技界が生んだ英雄である。韓国ではCMにも出るほどの人気者で、今回の試合も「韓国格闘技界を代表して」闘う。カーンは言った。「この時を8年間待っていた。日本、そして世界に自分の技を知らしめる。俺はPRIDEの歴史に名前を刻む男だ」。その第一歩から躓くわけにはいかない。
 バックボーンと国。それぞれのプライドを背負い、PRIDEで名を挙げようとする者同士の対戦。己の胸に誓った夢を、実現させるのはどっちだ!
 フードを目深に被って登場したカーンは、実にこの2年間総合格闘技で負けなし。リングインすると両手を挙げて走り、PRIDE初登場の喜びを表現した。大場は『モンキーマジック』のテーマに乗って、やや緊張気味に登場、リングインすると大きく雄叫びをあげる。セコンドには心強い味方、長南亮が就く。
大会名称PRIDE 武士道 -其の六-
開催日2005年04月03日
会 場横浜アリーナ