PRIDE GRANDPRIX 2005 2ndROUND
2005.06.26 さいたまスーパーアリーナ
PRIDE
第8試合 [PRIDE ミドル級GP2回戦]1R10分、2・3R5分
1R 5分24秒 TKO(グラウンドでのパンチ)
 入場式で中村はにっこりと笑い、両手の親指を立てて何度もガッツポーズ。対するシウバもツルツルに剃りあげたスキンヘッドを光らせながら、満面に笑みを浮かべて声援に応える。
「ブラジルへ行ってまた強くなったかな、って思う」と中村。2度目のブラジル武者修行、中村はその成果に確かな手応えを感じているようだ。柔術の強豪でプロ修斗の世界チャンピオンにもなったビトー・“シャオリン”・ヒベイロが打倒シウバのためのアドバイスをくれ、中村自身にも対戦が決定してからずっと練習してきたという“秘策”がある。さらに、今回は吉田秀彦が初めてと言っていいほど付きっ切りで練習やアドバイスをしてくれたという。
「秘策ですか…調子のいい時と悪い時があるんですよね(苦笑)。でも、自信はあるので勝ちに行きます」と中村。「僕が有利だと思うのは…若さ(笑)。本当はあるんですけれど、言うと決まりそうにないので言いたくありません。試合で見せます」と多少ナーバスになっている感もあったが、策はいっぱいあるようだ。あとはその策を実戦の場でどう巧く使うか、だ。
 一方、シウバは開幕戦とは違ってリラックスした表情で中村戦の事を語った。「自分にとって若いファイターと闘うのはいい事だと思っている。これからも若いファイターとどんどん闘っていきたいよ」と胸を貸すという心境のようだ。「前回は吉田をKO出来なかったから、今回は中村を必ずKOする。それも失神KOだ。必ずKOする」と絶対KO宣言。「中村はパンチがとても良くなっている。しかし、私はもっと強いパンチを打って倒す」。
 絶対王者がその揺ぎ無い自信と実力で、下から追い上げてくる若武者を粉砕するのか。それとも、中村が“秘策”を炸裂させて歴史に残る大番狂わせを起こすのか。無謀なる挑戦か、それとも中村の勇気が奇跡を呼ぶのか? 注目のメインイベント、いまゴング!
「ニッポン、チャチャチャ」という出だしで始まる入場テーマ、中村が青い柔道着を着て、タオルを頭からすっぽり被って登場。花道の途中で柔道着を脱ぎ捨てると、なんと下からは袖を切った柔道着が。帯には外れないようにテーピングが施されている。
 続いてシウバが、入念にウォーミングアップしたと見えて汗をかきながらの入場。両手を大きく上げて、威厳たっぷりである。軽く下なめずりするシウバ。中村はその間に、上は柔道着、下はトランクスという格好になっている。

第7試合 [PRIDE ミドル級GP2回戦]1R10分、2・3R5分
2R終了 ドクターストップ
勝利至上主義の難敵アローナとの対戦を前に、桜庭和志がここ最近にないくらい絶好調だという。公開計量後の囲み取材では「調子がよかった開幕戦と比べても、今の方が全然調子がいい。開幕戦を100とすると、安生さんが300%だから、僕は400%」と冗談交じりに答え、「開幕戦の時はGPの選手を全員極められる自信があったけど、今はヘビー級でも極められるかも」と笑って話した。練習の様子をずっと見てきた高田統括本部長は「ここ4年で1番の仕上がり」と太鼓判を押す。昨年大晦日前に肋骨を負傷し、練習を休んでいたことで、長年桜庭を悩ませてきた古傷の膝が回復。スパーリングでもサポーターなしで、膝を気にせず動いていたとのこと。87kgまで落ちた体重も「練習してたら自然と落ちた」(桜庭)とあまり気にしてない様子。無理な増量もない、自然体の桜庭が帰ってきた。
 アローナにとっては悲願の桜庭戦が遂に実現した。PRIDE参戦前、リングスミドル級のベルトを巻いた頃から、桜庭との対戦を希望していたアローナ。「当時桜庭は黒帯柔術家やグレイシー一族を倒していた頃だったから、柔術の強さを証明したいと思っていたんだ。今でもその気持ちは変わらない」と、桜庭戦への熱い思いを語った。しかしその一方で「今まで桜庭と戦ってきた柔術家の戦略は間違っていた。自分は他の柔術家とは違うし、全く違う戦い方をする」と、桜庭攻略に自信を持っている。
 試合前、アローナの風貌を爬虫類に例え、「この試合は猿VS爬虫類」と話した桜庭。それを聞いたアローナは「僕は爬虫類じゃなくて虎だ。この試合は猿VS虎だよ」と反撃する。そして試合前日に行われた公開計量では額に『肉』の文字を油性マジックで書き、キン肉マンに変身した桜庭が「明日の試合は虎VS肉。虎が肉を食べようと思って近づいてきたら、肉がガバッーって襲い掛かりますよ」とまたまた反撃。肉は虎に食われてしまうのか?それとも肉を餌に桜庭が虎狩りに成功するか?
 桜庭の入場、場内には金八先生の「送る言葉」が流れる。そしてスクリーンには、開幕戦の小学生から、中学生に成長した桜庭の姿のイラストが映し出される。そして「3年B組、桜庭和志。2回戦に合格して、決勝戦で頑張ろうと思います」という桜庭の声が鳴り響いた。テーマ曲がSPEED2に切り替わると、安全ヘルメットと詰襟姿、肩掛けカバンの中学生コスプレの桜庭が登場。花道を自転車で走り、リングへ上がった。

第6試合
1R 8分38秒 TKO(グラウンドでのパンチ)
世界を制した柔道と柔術。宿命の対決が新たな展開を迎える。
 あまりにも輝かしい実績を引っさげて、PRIDEへ初参戦するナツラはまぎれもなく、これまで総合に転向したどの柔道家よりも大物である。しかも、得意とするのは寝技。PRIDE転向を決意してからはボクシングにも力を入れ、スパーリングパートナーを二人もKOしたという。事前には「ジャケットマッチにしよう」「時間無制限で闘おうじゃないか」と数々の提案をしたが、ノゲイラは完全に無視。
「私は試合をエキサイティングにしようと思っただけだ。それでいろいろと提案したんだが、ノゲイラは嫌だという。それなら、ノゲイラの好きなようにやればいいと言ったんだよ」とナツラ。「ノゲイラは元チャンピオンだからね。尊敬しているよ」と言いながらも、「ノゲイラの寝技のレベルを柔道の段に例えると、五段くらいかな。私は六段だ」と自信を覗かせた。
「彼が事前になんと言おうと、その答えは試合が終わってみなければ分からない」とあくまでも冷静なのはノゲイラだ。「彼のビデオを三本ぐらい見たけど、ほとんど寝技を見ることは出来なかった。二人とも実績のあるいい選手だから、いい試合を見せられると思うが、僕は自分の柔術に自信を持っている」と柔道への対抗意識もチラリ。しかし、「今回は特にボクシングに力を入れてきた。それが僕にとって有利な部分だと思うから」と打撃で勝負するということも匂わせた。
 寝技勝負を見たいところだが、桜庭VSユン・ドンシクの再現となってしまうのか? それともナツラが世界柔道の底力を見せ付けるのか?
 ナツラはショパンの優雅で重厚な、荘厳なる調べに乗って入場。純白の道衣を着込み、右手を上げてガッツポーズだ。リングインすると、右手を上げて歓声に応える。続いて、ノゲイラが花道を走って入場。休憩で落ち着いた雰囲気だった場内が、一気にヒートアップする。その間にナツラは柔道着を脱いだ。
 今日はナツラ35回目の誕生日。自らのバースディー、PRIDEファイター・ナツラのバースディーを勝利で飾ることが出来るか。

第5試合1R10分、2・3R5分
3R終了 判定 3-0
「プロレスVS柔道」田村潔司が対戦カード決定記者会見で、この試合について語った言葉だ。2003年のPRIDEミドル級GPで、吉田秀彦に敗れ、「学ぶ事もたくさんあったし、今思えば後悔することもあった」と振り返る田村だが、「自分が今から柔道の練習をしても、柔道になってしまう。あくまで自分は新弟子の頃から培ってきた、UWFのプロフェッショナルなスタイルで戦う」と、プロレスラーとしてのこだわりを見せた。カード決定会見の時点では、右拳の回復が遅れ、まだ打撃の練習すら出来なかったという田村。果たしてその状況でどこまでコンディションを整えてきたのか?
 「プロレスVS柔道」にこだわる田村とは対照的に「別に気にしてないです。特に何も感じない」と語るのが瀧本だ。田村の試合も吉田戦を見たくらいで、特別に研究したわけでもないという。あくまで総合格闘家としての成長を見て欲しいと瀧本。「人の真似じゃなくてオリジナルの戦い方、攻撃的な部分を見せたい」と語った。
 落ち着いた表情でリングへと向かう瀧本。セコンドには吉田秀彦が付く。対する田村は大一番で必ず持ってくる小太刀はない。リングに上がるといつも通り四方に礼をし、反対のコーナーに立つ瀧本を睨みつけた。
 他のどのカードとも違う、独特の雰囲気を持つ日本人対決、勝ち名乗りを受けるのはどちらだ?

第4試合1R10分、2・3R5分
1R 3分53秒 TKO(ミドルキック)
ヒョードルとのタイトルマッチが延期になった腹いせに、あえて同門レッド・デビルの選手を対戦相手に選んだミルコ。リングサイドに姿を現すであろうヒョードルの目前で、イブラヒムをマットに沈め、「次はお前だ!」とアピールするつもりだ。
「ヒョードルからのアドバイス? もちろんもらった。内容は言えないがね。彼とはオランダで一緒に合宿したり、一緒にトレーニングしたりするいい関係なんだ」とイブラヒム。何が得意なのかを聞くと、「特別に何が得意とは言えない。パウンドが一番得意ではあるが、オールラウンドに得意だと言おう。僕のスタイルをひとことで言うと、MIXファイター。いろんなものを組み合わせたスタイルなのさ」と不気味な雰囲気を漂わせる。
 ほとんど無名な選手に、ミルコを倒す力があるとは考えにくい。しかし、ヒョードルの存在は無言のプレッシャーになるだろうし、イブラヒム自身もオランダとロシアのトーナメントを二つも制したタフなファイターである。「僕にはムエタイの経験もあり、ミルコがどれくらいのレベルにあるのかは分かっている。これまで、ミルコのようなキック、打撃テクニックを持った選手との対戦経験もある」と落ち着いた雰囲気で語るイブラヒム。
 言葉は少なかったが、「全ては試合を見てくれ」と静かに語った。
 トーナメントで手に入れたベルトを肩にかけてイブラヒムが登場。ミルコは貫禄たっぷりに、両手を腰に当てて登場し、まっすぐリングを見つめながらリングへ歩を進める。その姿を見ながら、イブラヒムのセコンドに付いたヒョードルがニヤリと薄ら笑いを浮かべた。

第3試合 [PRIDE ミドル級GP2回戦]1R10分、2・3R5分
1R 1分20秒 フロントチョーク
開幕戦で「格闘技を始めた頃から憧れていた」というビクトー・ベウフォートを撃破したアリスター・オーフレイム。今回もビクトーと同じく、憧れの存在であったイゴール・ボブチャンチンと対戦することとなった。「彼らの功績はみんな知っていることだし、そういう選手と戦えるのは光栄だ。そんな彼らを乗り越えるのはすばらしいことだと思う」と語るアリスター。「ボブチャンチンのゲームプランは十分研究してきた。ロシアンフックには必ずガードを下げない。カウンターを常に狙う」憧れの存在だっただけに、対策は万全のようだ。また長いリーチもアリスターにとっては武器。「小さな相手と戦うことは僕にとって、有利だと思う」と、自信を覗かせた。
 アリスターのコメントに対して「それはとても光栄だよ。彼のような強い選手といつも闘える事をうれしく思っているしね。アリスターのように若い選手が追い上げてくるのは嬉しいよ。どんどん育ってきてほしいと思っている。そして、そういう若い選手とどんどん闘っていきたい。アリスターには“いろいろと謙虚に学んでいって”とアドバイスを送りたい」と、ベテランらしく余裕を見せたボブチャンチン。アリスター同様、対戦相手の対策は万全。「背の高いスパーリングパートナーとスパーをやってきた。ウクライナには空手やボクシング、キックボクシングの選手が多くいて、総合格闘技をやっている選手も多い。スパーリングパートナーには事欠かないよ。それにヒザ蹴り対策として特別な練習をしてきた」と語る。
 トレードマークのハンマーを持って入場するアリスター、ボブチャンチンは赤いTシャツ1枚で静かな入場。リング下でTシャツを脱ぎ、すでに戦闘態勢に入っている。

第2試合 [PRIDE ミドル級GP2回戦]1R10分、2・3R5分
3R終了 判定 3-0
ミドル級の新鋭同士が激突する注目の一戦! 時代の旗手となるのはホジェリオか、ショーグンか!? 打撃VS寝技、ブラジルを代表する最強チームであるシュート・ボクセとブラジリアン・トップチーム。分かりやすい図式でありながら、新鮮なカードだ。
 今回の対戦を「凄く楽しみだ」と語るのは、シウバと兄ノゲイラだ。シウバは「ショーグンは私と一緒にハードなトレーニングをしてきたから、今どれくらい強いのかを私は知っている。間違いなくいい試合になるだろうし、このまま行けばショーグンと決勝でぶつかる事になるだろう」とショーグンの勝利を確信し、ノゲイラは「エキサイティングで感動的な試合になるだろうね。決勝戦で実現してもおかしくないカードだ。二人とも開幕戦で最も輝いた選手だしね。いい試合になるよ」と名勝負宣言をする。
 ショーグンはホジェリオを「最近はスタンドの打撃が向上している。この階級では最強の一人だろう」と認めながらも「しかし、僕も柔術のテクニックが向上している。打撃でも寝技でも自信があるね。寝技になってもいいけど、ぼくはムエタイで勝負する。いい試合をして勝つ」と“寝技でも自信アリ”だ。
 対するホジェリオは、「ショーグンはアグレッシブで常に攻撃をしてくる選手。しかし、彼の首相撲は全く僕には通用しない。彼は最初からアグレッシブに攻めてくるだろうが、そういう選手の方がやりやすい」と余裕すら感じさせるコメントを残した。
 共にPRIDE無敗同士、果たして土をつけるのはどっちだ!?
 ショーグンはキャップを被り、純白のコスチュームで入場。大きく息を吐き、花道で一度立ち止まり、もう一度深呼吸。傍らには兄ニンジャが寄り添い、その後ろにはメインに登場するシウバまで付いている。ホジェリオは体を揺さぶりながら、ゆっくりとリングへ歩を進める。非常に落ち着いた様子だ。リング中央に進んだ両雄、ショーグンは目を合わせない。

第1試合1R10分、2・3R5分
1R 2分2秒 KO(スタンドでのパンチ)
長らく総合格闘技界のヘビー級に君臨していたペドロ・ヒーゾが、遂にPRIDEマットに初上陸する。UFCを主戦場に戦ってきたヒーゾは、PRIDE初参戦に関して「PRIDEは世界最高の選手たちが集う、世界最高のイベント。自分のキャリアの新しいスタートを切りたい。モチベーションを上げるための新たな挑戦なんだ」と意気込む。UFCよりもさらに過激なPRIDEルールにも「グラウンドでの打撃に制限がなく、リアルファイトに近い戦い方が出来る。4点ポジションのヒザ蹴りやサッカーボールキックを有効に使いたいと思う」と不安はない。また元々キックボクサーとしてキャリアをスタートさせたヒーゾにとっては、金網よりもリングの方がファイトスタイルに合っているはずだ。「周りはキャリアで優る私の方が有利だという見方が多いと思うが、私はそうは思わない。私は最近勝ち星に見放されているし、波に乗っているのはハリトーノフの方だ。私はチャレンジャーの気持ちで戦う」とヒーゾ。強気な発言はないはものの、静かに闘志を燃やしていた。
 もし昨年のPRIDE新人王を決めるとするならば、間違いなくそれはハリトーノフだろう。ヘビー級GPではムリーロ・ニンジャ、セーム・シュルトを撃破し、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとは一進一退の攻防を展開した。今年最初の試合は2月格下のチェ・ム・ベ戦だっただけに、ヒーゾとのこの試合が事実上の2005年スタートとなる。例によって秘密主義を貫くハリトーノフ。事前インタビューで分かったことは、今回も軍でトレーニングしたことだけ。ヒーゾについては「一度ビデオを見たくらい」とのこと。あくまで「試合ですべてが分かる」の姿勢は崩さない。
 共に打撃を中心に戦うファイターだけに、打撃戦は必至。ヘビー級トップ3に続くのはどっちだ!?
 入場式に先立ち、高田延彦・統括本部長がリングイン。
「このリング上は凄い緊張感で、いつにも増して気持ち悪くてゲロを吐きそうです。今年の4月に開幕したミドル級GPも2nd ROUNDまでやってきました。1回戦を勝ち抜いた世界最高のレベルのトップファイター8名が、今夜この場所で、生ける者すべての神経を…」とここまで喋ったところで、会場から早くも“出て来いやー”コール。
「ちょっと待ってくれ、忘れちゃうよ」と苦笑いの高田・統括本部長。気を取り直して、続きをしゃべる。
「生ける者すべての神経を揺さぶる、激しく、そして厳しい試合になることは間違いありません。文字通り、勝っても地獄、負けても地獄。この過酷なトーナメントは8月の決勝ラウンドまで続きます。そして、言うまでもありませんがトーナメントの試合以外にも、スペシャルワンマッチ、とんでもないラインナップを4カード用意しました。どうか皆さん、トップファイター16人のエネルギーに負けない声援を送って下さい。よろしくお願いします!」
大会名称PRIDE GRANDPRIX 2005 2ndROUND
開催日2005年06月26日
会 場さいたまスーパーアリーナ