PRIDE 男祭り 2006 -FUMETSU-
2006.12.31 さいたまスーパーアリーナ
PRIDE
第10試合 PRIDEヘビー級タイトルマッチ
1R 8分16秒 チキンウィングアームロック
「ハントはK-1のチャンピオンになったこともあるし、昨年の大晦日ではミルコも倒している。もちろん強い敵だと認識しているよ。ハントは自分の中では評価が高く、タイトルマッチの挑戦者になっても驚きはしなかった」このカードが発表された時、ハントの王座挑戦に疑問を持つ声も少なくなかった。ハントは無差別級GPの2ndROUNDでジョシュ・バーネットに一本負けを喫し、決勝にも駒を進めていないからだ。とはいえ、実績を考えると一昨年の『男祭り』ではヴァンダレイ・シウバに初黒星をつけ、昨年はミルコにも勝利している実績がある。
 ハントは「前回のジョシュ戦が終わったあとは反省すべき点があったな。自分はまだMMAに参戦して時間があまり経ってないので、学ぶべきことがまだたくさんある。柔術やサブミッションのテクニックに関していうと、自分は今まで逃げることしか考えていなかったが、そこで考えを変えることが出来たんだ」と、何やら変化がある様子。それが何かは言わなかったが、トンプソン同様に“大晦日のクーデター”を目論んでいる。
 ゆったりとしたリズムの入場曲でハントが入場、観客の声援に笑顔で応える。金髪には染めず、黒髪のままだ。続いてチャンピオンのヒョードルが静かに、本当に静かな雰囲気で入場する。場内は荘厳な空気に包まれる。ヒョードルはリング下でサンボ衣を脱ぎ捨てると、リングイン! 両国国歌が吹奏され、PRIDEヘビー級タイトルマッチ、いよいよゴングの時! 48,709人(満員)の観客席から大歓声が沸き起こる!

第9試合
3R終了 判定 3-0
 無差別級GP準決勝でPRIDE史上に残る技術戦を繰り広げたジョシュとノゲイラ。この時はスプリットの判定でジョシュが勝利を手にした。「VTRを何度見ても自分が主導権を握っていたと思う。再戦のオファーがあった時はすごく喜んだよ」と復讐に燃えているのはノゲイラだ。「今回は絶対に勝ちたい」とリベンジを誓うと共に、柔術VSキャッチレスリングという図式に関しても「確かに前回の試合でジョシュの寝技にバリエーションがあることは分かった。しかしそれでも私の柔術の方が上回っている」と、柔術復権を宣言する。
 対するジョシュは「ノゲイラが判定に文句を言っているのは分かったよ。彼は試合で負けるといつも不平不満を言うからね。僕はノゲイラに勝った後、ミルコに敗れたけれど、すべてを納得している。ごちゃごちゃ言うんだったら、その前に練習することだね」と、ノゲイラの主張を一刀両断。「次こそはノゲイラを極めて、キャッチレスリングが柔術よりも上だということを証明したい」と、こちらもキャッチレスリングを改めて証明するつもりだ。
 炎をモチーフにしたガウンを着て、シャドーボクシングをしながら花道を歩くノゲイラ。ジョシュはTシャツ姿のまま、エリック・パーソンらを率いてリングへ上がった。

第8試合1R10分、2・3R5分
1R 7分50秒 TKO(タオル投入)
 大会直前まで対戦カードが決まらず、ファンも本人もやきもきした吉田の試合。「出ることが決まってしまったからには出ますよ」と気持ちを切り替えたが、「本格的に追い込む練習はここ一週間くらいですね。こういうケースは初めてです。今まではなかった。でも、決まった以上はやらないといけないし、この状態でどういう試合になるのかは当日にならないと分からない」と不安は隠せなかった。37歳という年齢も急な調整には少なからず影響する。ファンや周りは楽勝ムードだが、吉田は迫り来るピンチを敏感に感じ取っているようだった。
 トンプソンは“大晦日の大番狂わせ”実現にやる気満々だった。「多くのファンは吉田の勝ちを予想しているだろうけど、大番狂わせを起こす自信はある。本当に差し迫ったオファーだったけれど、それは吉田も同じ。吉田も思ったようなトレーニングは出来ていないだろうから、思ったような差はない。組み立てた作戦通りに自分がやるべきことが出来れば、必ず俺が勝てる」と反骨心をむき出しに。「気持ち的には吉田を倒すモードになっている。それどころか吉田を殺してやろう、というモードになっているよ」と物騒なセリフも口にする。
 多くのファンが吉田勝利を予想する中、専門家筋ではトンプソン勝利を予想する者も少なくない。果たして、2006年最後の最後に、歴史に残る大番狂わせは起こるのか!?
まずはトンプソンが早くも顔をプルプルと震わせながら入場、瞬きひとつせず、客席に何度もガッツポーズを作って気合い満点のところを見せる。吉田は道衣に身を包み、マウスピースをくわえての登場。心なしか、表情がかなり落ち着いて見える。そして、リング上がると道衣を脱ぎ、黒のトランクス姿となった!

第7試合1R10分、2R5分
1R 1分14秒 KO
 因縁の一戦が遂に実現! 対戦カード発表会見での石田の「勝てない相手じゃない」発言を皮切りに、二人は舌戦を繰り広げた。五味が「喧嘩は買う方が絶対に有利」と言えば、「それは彼の意見であって、僕は僕」と返した石田。公開練習で五味対策として石田がボディ打ち特訓を行ったことを明かすと、その言葉を受けた五味は自分の公開練習で「効くと思うけどな〜」とサンドバックにボディフックを打ち込んだ。試合直前のインタビューでも「絶好調の五味選手が来ると思いますけど、勝負に絶対はない」(石田)「何とか(石田選手を)ふっ飛ばしたいですね」(五味)と、両者一歩も譲らなかった。
 石田はT-BLOODのロゴが入った日の丸を手に入場、チーム茨城の面々と円陣を組んでからリングへと向かった。対する五味は教え子二人に、PRIDEライト級とPRIDEライト級GPの二本のベルトを持たせて花道を歩いた。リングアナウンサーが石田の名前をコールすると、石田は五味に視線を移す。五味は全く石田と視線を合わせないまま、ゴングを聞いた。

第6試合1R10分、2・3R5分
1R 2分08秒 KO
「これで終わりじゃないから。ありがとう」と言い捨て、無差別級GPでのシウバ戦を終えて記者たちの前から去っていった藤田。あれから5ヵ月、藤田がPRIDEのリングに帰ってきた。大会前は黙して語らず、全てはリング上を見てくれというわけだ。
 クルタニーゼは大会二日前に来日、記者たちの質問に流暢に答えていたのが印象的だった。得意技を聞かれると「それは今は言えない」とし、「総合格闘技のトレーニングをやってみて、実際に闘ってみた時に、それが気持ちのいいものなのか。そういった色々なことを試す試験です。藤田選手との試合を経て、今度チャンピオンを目指すのか、総合格闘技を続けていくのかを決めることになるでしょう」と、藤田戦はテストマッチに過ぎないと豪語。約半年間の練習を積んできたというが、総合に対応できるかどうかが注目される。
 クルタニーゼは特にアピールするわけでもなく、スタスタとリングへ歩を進めた。その表情は全くの無表情。赤い吊りパンスタイルのタイツからは異常に太い足が“生えている”。続いて藤田の入場、今回は吼えることなく落ち着いた入場。僅かに微笑を浮かべ、リングインした。

第5試合1R10分、2R5分
2R終了 判定 3-0
 今大会の裏メインと言ってもいいだろう。8月のPRIDE初参戦となった帯谷信弘戦でメレンデスは、スタンドでもグラウンドも帯谷を殴り続けボコボコにし、強烈なインパクトを残した。前回の武士道は左肘の負傷により無念の欠場となったものの、すでにその負傷も完治。「もう万全に回復してるよ! 怪我をしている間も練習は続けていたからね」と、コンディションは万全とメレンデス。今回も元ムエタイ王者から打撃の手ほどきを受け、パンチとヒザ蹴りに磨きをかけてきた。殴り合いが予想される中、「殴り勝つのは僕だよ」と余裕のコメントを残した。
 公開練習で「今の俺はやばいですよ」と不適な笑みを浮かべたのは川尻。五味に敗れて以来、自分の技術を改めて見つめなおし、打・投・極、すべての面でのレベルアップに力を注いできた。特にチーム黒船で練習を積むようになってから、打撃力は飛躍的に伸びており、「お客さんが見ても分かるくらい、変化している」と手応えを感じている。「勝っても負けても両方ボコボコになっている。今まで試合後に顔が腫れたことはなかったけど、メレンデスではそうなる覚悟はできている」と語った。
 花道に現れたメレンデスはジッとリングを睨み、すでに臨戦態勢だ。真っ赤なパーカー、フードをすっぽりとかぶって入場した川尻だったが、そのフードを取るとメレンデス同様にその目は戦闘モードに入っている。お互いが激闘を予告した一戦は、予想以上の死闘となった!

第4試合1R10分、2・3R5分
3R終了 判定 3-0
 今年はカズにとって浮き沈みのは激しい年だった。エヴァンゲリスタ・サイボーグに鮮やかな一本勝ちを飾ったと思ったら、中尾“KISS”芳広との試合ではお互いに行けず大ブーイングを浴びてしまった。ところが、続くラスベガス大会ではパンチでダウンを奪っての完璧なTKO勝利。評価を定めるには、もう一発大きなインパクトが欲しいところ。そこで浮上したのが05年ミドル級GP覇者ショーグンとの一戦だった。勝てばお釣りがくるほどの相手、ミドル級のエース=中村和裕を一気に印象付けられる。「感じとしてはシウバと闘う時の心境に似てるのかな?」とショーグン戦への意気込みを語るカズ。「試合が終わればリング上に大の字になるぐらい、力を出し切りたいですね」とテーマを語る。
「ラスベガスが終わった後は、大晦日に出ることを想定してすぐにトレーニングを再開したよ」というショーグンは、今回もコンディションは良さそうだ。「中村は打撃もグラウンドも出来る選手なので尊敬に値する」といい、何よりも「勇気を持ってヴァンダレイと打ち合ったので素晴らしい」と、カズがシウバと打ち合ったことに敬意を表しているようだ。同じ年にPRIDEデビューしている若者同士、2006年へ向けてさらに羽ばたくのはどっちだ!?
 カズは青い道衣、そしてフードをすっぽり被り、花道を一気に走っての入場。リングに上がるとフードを外し、坊主頭で四方に礼をする。ショーグンは新しい入場テーマ曲、姿を現すと満面の笑顔で歓声に応える。

第3試合1R10分、2R5分
2R終了 判定 2-1
 第1試合に続く、大物日本人選手の再戦となった。今から5年前、パンクラスマットで対戦した近藤と郷野、この時は近藤が郷野を病院送りにして勝利を収めている。しかしここ数年のPRIDEにおける活躍を見れば、郷野の方に勢いがあり、格上になったという見方もあるが、郷野は「それはない。俺にとって近藤は大きな相手」と、周りの声を否定する。試合の2日前のインタビューでは「意外にも気持ちが盛り上がってこない。入場も含めてピークはデニス・カーン戦だった」と、ネガティブな言葉を続けていた郷野。
 しかし前日会見で近藤を顔を合わせると、「近藤を見て5年前にボコボコにされて病院送りになった悪夢を思い出した。いい試合をしようなんて甘っちょろいことを言っていたら勝てない。何としてでも勝ちにいく」と、気持ちにスイッチが入ったようだ。
 そんな郷野とは対照的に近藤は、この再戦について「郷野選手と闘うということで楽しみ、とてもワクワクしている」と話した。ここ最近の試合では納得のいく結果・内容は残せなかったが、「今回はそこから抜け出した自分の姿を見せたい」と力強く語る。さらに「最高の舞台で最高の試合をしたい」と近藤。5年の歳月は二人をどう変えたのか?
 近藤はいつも通りのエンヤの「ブック・オブ・デイズ」で静かな入場。対する郷野は赤アフロに野球のユニフォームとバット姿で花道に現れた! その後ろにはゴレンジャーのマスクを被った3人の男たち。花道の途中まで歩くと、一人足りないことに気づいた郷野が入場ゲートを指差すと、長渕剛の「とんぼ」が流れ始める。するとあの清原和博が登場! まさか大阪ドームにいると噂のあの男がPRIDEに!? しかし花道を歩き、郷野らと並ぶと明らかに体のサイズが小さい。そう、この男は清原ではなく、リトル清原だ! するとここで曲が「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」に変更! 郷野はリトル清原と一緒に絶妙なダンスを披露し、場内を沸かせた。さらにリングに上がった郷野は近藤に向かってバットを掲げてホームラン予告だ! 今日の郷野のスパッツには「SHINJOのようなヒーローになりたい」の文字。

第2試合1R10分、2R5分
1R 2分04秒 トライアングルチョーク
 オフィシャルサイト上で行った2006年のMVPファンにおいて、PRIDEで2戦しか行っていないのにも拘らず、ウェルター級GP覇者の三崎和雄に次いで堂々第5位に輝いた“リアル・グラップラー”青木真也。日本人でありながらノゲイラを髣髴させるような極めの強さと高度なグラウンドテクニックを持ち、黄色いロングスパッツも含めてファンのハートを一気に射抜いたのである。
 スタンドでハンセン、グラウンドで青木と予想されているが、青木は「ハンセンに殴り殺されるか、自分が絞め殺すかという試合になる。しかし、立っても寝ても自分のフィールドになりますよ」と自信満々。ハンセンの得意とするパウンドに対しても、「殴られない自信があるし、僕が下から蹴り上げる」とどんな局面にも対応できると言い放った。「テーマは自分の中で一歩踏み込んだ試合がしたい。普通なら安全パイで行くようなところで、あえて一本を取りに行くような…自分の限界に挑戦したい」青木は大ブレイクの2006年を締め括るような、“限界”を打ち破って脱皮するような闘いが見せられるか?
 一方のハンセンはアゼレード戦以来の参戦となるが、アマチュアボクシングの大会に出てボクシングテクニックに磨きをかけていたという。「青木が絞め殺すか、自分が殴り殺すかだって? じゃあ、俺が殴り殺す」“北欧の処刑人”は冷たい光を瞳に宿し、そう答えた。
 ハンセンはキャップを目深に被り、口元に笑みを浮かべながらガッツポーズを作りながらの入場。髪の毛と髭は伸ばしたままのようだ。青木は柔術衣に身を包み、『バカサバイバー』を歌いながらの登場! 左右にステップを踏みながら、花道をゆっくりと進む。途中には今成正和らと握手を交わす。リング下でハンセンと目を合わせると、なぜか敬礼。コーナー下で四股を踏むようなポーズを取ると、鋭い目付きに変身する。ロングスパッツ、そしてマウスピースはなんとド派手なレインボーカラーだ!

第1試合1R10分、2・3R5分
1R 1分18秒 KO
 いつもなら公開練習やインタビューで話題を振りまいてくれる美濃輪だが、今回は違った。一切の取材を断り、「試合ですべてを見せたい」という。大会直前、短い時間ながら美濃輪に話を聞くことができた。その時、美濃輪はこの試合に賭ける熱い想いを語ってくれた。「今までは試合で練習する部分もあったけど、今日は違う。完全な勝利を目指します。そして自分のすべてをさらけ出します。田村戦は自分にとっての集大成、そして新しいスタート。テーマは“誕生”です」
 大晦日から新年に向けて年が変わる瞬間が好きだという美濃輪は、第1試合で闘う意味として「時を切り裂く」という言葉を使った。「新年に向けて開く扉を先陣に立って、僕が切り裂きたい」と美濃輪。ここまで沈黙を守ってきた美濃輪が繰り広げる、今年最後の美濃輪ワールドを見届けろ!
 そして約4年ぶりに美濃輪との再戦に挑むこととなった田村だったが、今回の試合に向けて「自分の型にはめて闘う。相手のペースに乗らないことが大切になる」と話した。この言葉を聞く限り、試合としてかみ合わないようにも聞こえるのだが、裏を返せば、美濃輪ワールドと田村ワールドのぶつかり合いという言い方もできる。「結果的に僕と美濃輪選手でインパクトを残す試合がしたい」と語った田村。男祭りのオープニングを飾る日本人対決で、どんな科学反応が起きるのか?
 試合前のVTRでは「リングネームを変える」と宣言した美濃輪。するとリングアナウンサーは美濃輪の紹介の際にミノワマンとコールする! 大声援の中、ミノワマンは入場曲を元の曲に戻し、4年前の田村戦で着用した白と赤の着流しで登場! 背中に「新人類」の文字を背負い、花道を走ってリングへ上がったミノワマンは、コーナーポストに上って雄たけびをあげた。対する田村はいつも通りの静かな入場。四方に礼をする田村の周りをミノワマンはシャドーボクシングしながらグルグルと回った。
大会名称PRIDE 男祭り 2006 -FUMETSU-
開催日2006年12月31日
会 場さいたまスーパーアリーナ