PRIDE.32 ”THE REAL DEAL”
2006.10.21 トーマス&マックセンター
PRIDE
第8試合5分3R(グラウンド状態での頭部へのキック攻撃はなし)
2R 1分15秒 アームバー
 榊原代表が「PRIDE10年間の夢の舞台」と形容した今大会を締めくくるのは、やはり現PRIDEヘビー級王者のエメリヤーエンコ・ヒョードルだ。
 アメリカで行われたPR活動では常にファンからの声援を受け、ニューヨークタイムズ誌で特集を組まれるほど、アメリカでも絶大な人気を誇っているヒョードルも、公開練習や会見でのファンの熱狂ぶりには「これほど歓迎してもらえるとは予想していなかったです」と驚きを隠せない様子。
 そんな歓迎ムードに思わず笑顔を浮かべるヒョードルだが、試合に話が及ぶと「明日の試合は全く予想ができませんし、何ができるか分かりません。コールマンは体も大きいし、世界最高の選手の一人です。彼はレジェンドでもありますから、彼のような選手と闘えて光栄です」といつものように冷静な表情で、実にヒョードルらしい言葉を残している。
 そのヒョードルを迎え撃つコールマンは、ランデルマンに負けず劣らずのハイテンションぶりを見せた。公開練習ではなぜかランデルマンの練習に参加し、上半身裸になってスパーリングをする熱の入れようで、自分の公開練習ではランデルマンと二人で榊原代表の挨拶を完全に無視してスパーリングを続けた。そんな派手な行動ばかりが目立つコールマンだが、今年2月のショーグン戦ではヘビー級でありながら、あえて体重を落とすという調整法に着手し、見事に復活を遂げている。
 ヒョードルのピンチと言えば、藤田和之のパンチでぐらついたシーンがすぐに頭に浮かぶが、PRIDEのリングでヒョードルから完全なバックポジションを奪ったのは後にも先にもコールマンだけだ。「対戦相手のヒョードルのことはリスペクトしてるよ。俺が死ねばいいと思ってるヤツもいるかもしれないけど、怖くはないね」とコールマン。地元アメリカのUSAコールを背に、人類最強の男に立ち向かう。コールマンは“リアル・ロッキー”になることが出来るか!?
 先に大声援の中、入場したのはコールマン。ランデルマンとバローニを引き連れて、ゆっくりゆっくりとリングへ歩を進める。トップロープを飛び越えてリングインすると、地鳴りのような歓声が沸き起こった! 続いてヒョードルは雪が舞う演出の中、サンボ衣にヘビー級王座のベルトを巻いての入場だ。正面から睨みつけるコールマンに、下を向いて目を合わせないヒョードル。

第7試合5分3R(グラウンド状態での頭部へのキック攻撃はなし)
1R 2分35秒 膝十字固め
 2月にコールマン戦で負ったケガからの復帰戦となったスネーク戦、勝利こそ収めたショーグンだったが、スネークの飛びヒザ蹴りでグラつくなど、本調子からはほど遠い印象を与えた。今大会も、コンディションは万全とはいうものの、直前のドクターストップで公開練習が中止になり、まだファンの前に元気な姿を見せていない。さらに今大会はサッカーボールキックや踏みつけが禁止される特別ルール。ショーグンは得意技を封印された状態で闘わなければならないのだ。
 一方のランデルマンは絶好調だ。一時は肺の大病を患い、生死の淵をさまよったものの、脅威の回復力でカムバック! 公開練習ではホテルから縄跳びしながら現れ、榊原社長の挨拶を無視して練習を続けるなど、頻繁にアピールしていた「モンスターが戻ってきたぜ!」という言葉は本当のようだ。
 前日会見では「ベストを尽くしていい試合を見せたい。アメリカのファンと世界中にPRIDEが世界一であることを証明する」と言葉少なく語ったショーグンとは対照的に、ランデルマンは「アメリカに戻って闘うことができて、そしてミスター・サカキバラの団体で闘うことができて本当に嬉しいぜ! ショーグンは凄い選手で、これまで闘った中でも最高の選手だと思う。他の選手たちには悪いけど、俺たちの試合が最高の試合になる、ゴッド・ブレス・PRIDE!!」と、雄たけびを交えて叫ぶ。
 果たして最大の武器を奪われたショーグンは、どうやってこの不死身のモンスターに立ち向かうのか?
 まずショーグンが兄のニンジャを伴って入場、軽く汗をかいたその表情は硬い。続いて今回、“モンスター”を連発しているランデルマンが赤いパーカーに身を包み、やる気に満ちた表情で登場だ。花道を走り抜け、リングインすると、高く大きくドンキーコングジャンプ! 場内は大歓声だ。ランデルマンはゴングが待ちきれないといった様子で、何度もフライングしてしまう。

第6試合5分3R(グラウンド状態での頭部へのキック攻撃はなし)
2R 3分4秒 アンクルホールド
 PRIDE無差別級GPでの快進撃で、一躍PRIDEのスター選手となったジョシュ。公開練習では、無差別級GP時と比べても何ら遜色のないグッドシェイプで、鋭い打撃とスピーディな寝技を展開した。
「いつも通りのPRIDEをお見せできれば、アメリカのMMAファンもきっと釘付けになるのは間違いない。PRIDEこそ本当の闘いだということをお見せしよう」と意気込みを語ったジョシュからは、「アメリカではボクシングのジャッジが判定したり、4点ポジションのヒザ蹴りが禁止になるけれど、何の問題もないね。自分の闘い方を変える必要もないし、フィニッシュを極めれば判定は関係ないから、ジャッジを気にする必要もない」と、堂々の一本勝ち宣言も飛び出した。
 そのジョシュを迎え撃つのは、ポーランドの柔道王ナツラ。ノゲイラ、アレキサンダーというヘビー級トップファイターにこそ敗れてはいるものの、BTTの秘密兵器として注目を集めていたエジソン・ドラゴから一本勝ちを収めるなど、確実に総合格闘技のフィールドでも潜在能力を発揮している。
「10年前、アメリカのアトランタで柔道の金メダルを獲りました。そして10年後、再びアメリカと世界に柔道のテクニックがどれほど素晴らしいのかをお見せします」とナツラ。
 その言葉に敏感に反応したジョシュは「彼は柔道が凄いと言っているけど、俺はいままでプロレスラーとして何度も柔道家を倒してる。だから柔道家は明日、担架で運ばれていくことになるだろう」と返す。ジョシュのキャッチレスリングか、ナツラの柔道技か。裏寝技世界一決定戦が今始まる!
 髪型と髪の色を金髪に変えたナツラが先に入場、続いてジョシュがアメリカでも『北斗の拳』のメインテーマ『愛を取り戻せ!』で登場した! さらにシェイプアップした体で、4年7ヵ月ぶりのアメリカでの試合に臨む。

第5試合5分3R(グラウンド状態での頭部へのキック攻撃はなし)
1R 29秒 TKO(スタンドでのパンチ)
 これぞまさに“アメリカ”と言うべきカードだ。ビザの問題で出場が不可能となったハントの代役を任されたオヘアは、WWEやWCWで活躍した人気プロレスラーで、2004年にはハワイの『ランブル・オン・ザ・ロック』に出場し、あの大山峻護をパンチの連打で1R秒殺勝利を収めている。その後はK-1のリングにも上がり、プロレスラーらしい突貫ファイトであの武蔵やゲーリー・グッドリッジを相手に真っ向から殴り合うなど、魅せるプロ魂を持ち合わせた選手だ。
 人気やプロ魂ではバタービーンも負けてはいない。アメリカのボクシング界ではヘタなメインイベンターよりも人気のあるプロボクサーであり、総合格闘技転向後は何と関節技での一本勝ちを量産し、6連勝という結果も残している。共に打撃を得意とし、KO決着を信条としているだけに派手な殴り合いになることは間違いないだろう。バタービーンが提唱する“ビーン柔術”を一目見たい気もするのだが…
 白いTシャツを身に纏ったオヘアが先に入場、ついに体重が身長の数字を超えたバタービーンは、星条旗をあしらったトランクスで登場だ。

第4試合5分3R(グラウンド状態での頭部へのキック攻撃はなし)
3R終了 判定 3-0
 PRIDEで活躍するアメリカ人ファイターの第1人者、現ウェルター級王者ヘンダーソンが今大会に参戦。“帰ってきた超新星”ビクトー・べウフォートを迎え撃つ。連覇を目論み準々決勝からGPに参戦したヘンダーソンだったが、過去に勝利している三崎にまさかの敗戦。「大晦日に自分のベルトをかけて、GP王者と闘いたい」と燃えているヘンダーソンに、連敗そして地元での敗戦は絶対に許されない。
 一方のビクトーはPRIDE復帰以降、勝ち負けを繰り返しているが、前回の高橋義生戦では鮮やかな左フックでKOし、復活のキッカケを掴んでいる。現在はウェルター級で闘うヘンダーソンと、ミドル級でも100kg近い体重のビクトー。この体重差が試合の勝敗に影響を及ぼしそうだ。
 ビクトーは青いキャップを被り、花道を走っての速い入場。ヘンダーソンは黒いキャップを被ってビクトーとは対照的にゆっくり花道を歩く。両者、リング中央でグローブを合わせて戦闘開始!

第3試合5分3R(グラウンド状態での頭部へのキック攻撃はなし)
1R 3分20秒 TKO(チキンウィングアームロック)
 PRIDEデビュー戦となったハント戦こそ、壮絶な殴り合いを繰り広げ、ファンからの支持を得た西島だったが、その後の吉田戦では寝技に対応できず一本負け、続くサイボーグ戦ではシュートボクセのムエタイスタイルに散った。選手の移り変わりの速いPRIDEにおいて、この結果と内容は決して褒められたものではない。今回の一戦は西島にとってまさに正念場、西島は「またアメリカで闘えて嬉しいです。頑張ります」と静かに決意を語った。
 西島の対戦相手であるフィル・バローニは「ニューヨーク・バッドアス」のニックネームを持ち、アメリカでも人気者のファイター。西島の目の前で「あんまり言うことはねえな。ただブチのめしてやるだけだ」とニヤリと笑い、写真撮影でも激しく西島をにらみつけるなど、ヒールキャラを爆発させる。試合開始から3分以内に相手をノックアウトする“バローニ・タイム”の復活なるか!?
 まず西島が白いフード付きのロングガウンと、いつものテーマ曲で入場。バローニはド派手なスパンコールの真っ赤なロングガウン&サングラス。微笑を浮かべ、ダンスを踊りながらゴキゲンな入場だ。

第2試合5分3R(グラウンド状態での頭部へのキック攻撃はなし)
2R 1分16秒 TKO(グラウンドでのパンチ)
 不完全燃焼に終わった中尾“KISS”芳広戦から2カ月、カズがアメリカの地で捲土重来を期す! PRIDE愛を胸にアメリカ大会への参戦を早くからアピールしていたカズ。しかし、前回の中尾との試合では周囲の期待に応えることができず、観客からブーイングを浴びてしまうこととなった。それだけに何とかここでカズ健在をアピールするためにも、カズのアメリカ大会に対する想いは強い。
 マービン・イーストマンの二重契約が発覚し、大会直前で対戦相手がトラビス・ガルブレイスに変更となったものの、ガルブレイスはUFCでマット・ヒューズとタイトルを争うジョルジュ・サンピエールとデビュー5戦目で接戦を演じるなど、確かな実力を持っている。
 前日会見では英語で挨拶し「ナカムラ」コールを受けるほどの人気者だったカズ。「アメリカのファンのために闘います。興奮する試合をお見せします。明日はエンジョイしてください!」という言葉を実践することができるか?
 中村は白い柔道衣で入場、セコンドには吉田秀彦と長南亮が付く。トップロープを飛び越えてリングイン。トラビスはグラジエーターを彷彿させるようなマスクを被っての登場だ。

第1試合5分3R(グラウンド状態での頭部へのキック攻撃はなし)
1R 22秒 TKO(グラウンドでのパンチ)
 ウェルター級GP開幕戦で連勝記録は「15」で止まったものの、長南亮の顔面を踏み付けで破壊するなど、ビッグインパクトを残した“アステカの戦士”ジョーイ・ヴィラセニョールがPRIDEファイターとしてアメリカマットに凱旋! 長南に敗れた直後のKOTCでKO勝利しており、ヴィラセニョールの調子は上向き。満を持してのPRIDEアメリカ大会参戦となる。
 対するUFCでの活躍経験を持つローラーはボクシングをバックボーンにする超アグレッシブファイターで、武士道参戦経験のあるアーロン・ライリーやハワイの英雄ファラニコ・ヴィターレに2勝したキャリアが光る。
 試合前、共にPRIDEで闘えることの喜びを語り、タフな試合になると激闘を予想した両者。アメリカのアグレッシブファイター2人が、オープニングファイトで記念すべき今大会に火をつける!
 5億円をかけたというド派手なオープニングセレモニーが終わり、両選手が入場。裁くレフェリーは島田裕二。
大会名称PRIDE.32 ”THE REAL DEAL”
開催日2006年10月21日
会 場トーマス&マックセンター