PRIDE GRANDPRIX 2005 決勝戦
2005.08.28 さいたまスーパーアリーナ
PRIDE
第7試合 PRIDE GRAND PRIX 2005 決勝戦1R10分、2R5分
1R 2分53秒 KO(グラウンドでのパンチ)
 準決勝でシウバを判定で降し、ミドル級初敗北を味わわせるという歴史的快挙を達成したアローナ。シウバのローキックのダメージが気になるところだが、精神的には充実しているはずだ。
 一方のショーグンはアリスターに苦しめられながらも、最後はマウントパンチで仕留めた。スタミナ的にはフルラウンドを闘ったアローナよりも有利。
 ショーグンの若さか、アローナのキャリアか。ショーグンが勝てば世代交代、アローナが勝てば完全に政権交代を果たす事になる。どちらが勝っても初優勝、ミドル級最強は誰か、いよいよその答えが出る!
 まずはショーグンが入場、両手を突き上げてニッコリ笑い、歓声に応える。隣ではやはり兄ニンジャが付き添い、檄を飛ばす。リングサイドにはシウバも姿を現した。アローナは鋭い目つきで、気合充分の表情。マリオ・スペーヒーが檄を飛ばすと、その度に何事かを叫ぶアローナ。ゆっくり、ゆっくりと世界最強決定戦の場に足を運んだ。
 ブラジルの国家吹奏、高田延彦・統括本部長による認定宣言が終わり、いよいよゴングを迎える。

第6試合 PRIDEヘビー級タイトルマッチ1R10分、2・3R5分
3R終了 判定 3-0(2度目の防衛に成功)
 2年の時を経て実現した人類最強決定戦。ヒョードルのケガとミルコの敗戦などがあいまって、これだけの時間を要してしまった。「この2年間でミルコも私も成長した。2年前よりも面白い試合になるでしょう」と余裕のコメントを残すのは王者のヒョードルだ。ミルコ戦を想定して、オランダでの打撃練習を繰り返してきたヒョードル。ボスジムではアーネスト・ホーストから打撃のアドバイスを受け、カルビンジムではタイロン・スポーンを相手にサウスポー対策を積んできた。「ミルコと打撃で打ち合う可能性?もちろんありますよ」と、いつも通り言葉数は少ないものの、確かな自信を持っているようだ。
 ここで懸念されるのが右拳の負傷。ヒョードル自身「試合に影響が出てしまわないか心配だ」と話しており、練習中も特別なグローブをつけたままで全力で殴る事はできなかったという。果たしてこれがどう試合に影響するのか?
 一方のミルコは早めの来日をしたというだけで、一切マスコミの前に姿を現すことはなかった。ヒョードルと共同で行う予定だった会見も、「コンディション調整のために」と欠席した。
 「ベルトは私の人生」と語ったミルコとは対照的に「ベルトと人生は程遠いもの」とヒョードル。どこまでも対照的だった二人。人類最強の証PRIDEヘビー級のベルトはどちらの腰に巻かれるのか?
 今までにないほど険しい表情でリングへ向かうミルコ。ヒョードルもミルコ同様、表情は険しい。先にリングで待つミルコに静かに視線を移し、体を叩いて自らを鼓舞したヒョードル。クロアチア、ロシアの国歌吹奏後、高田統括本部長のタイトルマッチ認定宣言が行われ、運命のゴングがなった。

第5試合1R10分、2・3R5分
1R 7分12秒 片羽絞め
 この対戦が決まった時から、吉田は「喧嘩殺法で挑む」と言い続けてきた。もちろん、リップサービスという部分もあるが、吉田自身、自分の違う引き出しを開けてみたいという気持ちが強いのだろう。
 吉田はこの対戦に備えて、元シュート・ボクセのコーチから打撃を学んだ。ヒザ蹴り、そして踏み付け…「せっかく教えてくれたんだから、使わないと悪いからね」と笑う吉田だが、このチャンスに新しい技を試してみたいという気持ちはあるのだろう。
「とにかく、今回は勝ちたい」と吉田。昨年6月のマーク・ハント戦以来の勝利を、何が何でも掴むつもりである。吉田道場の連敗は、第1試合でカズが止めてくれた。後は自分自身の勝利を掴むだけだ。
 一方、PRIDE初参戦となるタンク・アボットは吉田の“喧嘩宣言”を「そんなことをしたら、勝負は一瞬にして終わってしまうだろう。なぜなら、喧嘩は俺の最も得意とするスタイルだからだ」とせせら笑う。「吉田を殴って殴って殴り倒す。前へ出続ける“これがタンク・アボットだ”という試合をするよ」とアボット。喧嘩屋の本性剥き出しで、吉田に挑むに違いない。
 アスリートVSストリートファイターの闘い。吉田のヘビー級転向も占う一戦、勝つのはどっちだ!?
 真っ赤なTシャツに身を包み、ついにアボットがPRIDEの会場に姿を現した。花道を駆け足で進み、眉間に皺を寄せた厳しい表情。来日時に見せた意外にも人のよさそうな素顔は消えうせ、完全にストリートファイターの顔つきとなっている。リング下でTシャツを脱ぎ捨てると、リングイン! 対する吉田は白い道衣に身を包み、右手を挙げてガッツポーズ。マウスピースを口にくわえ、両方の拳を打ちつけながらリングへ歩を進める。リング下で祈りを捧げ、一気にステップを駆け上がった。
 両者の間には10kg以上の差があるが、吉田は四点ポジションからのヒザ蹴りを認めた。

第4試合1R10分、2・3R5分
1R 4分1秒 トライアングルアームバー
 一般的には知名度の低い両者の対戦だが、今後のヘビー級戦線を占う重要な一戦が、このヴェウドゥムとゼンツォフの一戦だ。
 ミルコ急成長の影の功労者が、このヴェウドゥム。柔術の現役世界王者としてチーム・クロコップ入りし、ミルコと共に朝・夜2度の練習で自らを鍛え上げてきた。ミルコの寝技の向上と同じ速度で、ヴェウドムの打撃が向上しているとしたら…想像するだけでも末恐ろしい存在だ。チーム・クロコップにいながら陽気な性格の持ち主のヴェウドゥム。「僕が攻める時は”バイカバーロ”(ヴェウドゥムのあだ名)って声をかけてくれ!その掛け声が僕に力をくれるんだ」と、にこやかで語った。
 対するゼンツォフはロシアン・トップチームを離れたヒョードルがスパーリングパートナーに指名した逸材だ。サンボとボクシングをバックボーンに、ロシア金網格闘技M-1の王者であるゼンツォフ。戦績だけ見れば9勝9敗と五分なのだが、それはアグレッシブな戦いを身上とするゼンツォフだからこそ。むしろPRIDEのリングでその真価が発揮されるかもしれない。
 ヒョードル、ミルコ、ノゲイラ、ハリトーノフに続く、ヘビー級トップ5の座を掴むのどちらだ!?

第3試合 PRIDE GRAND PRIX 2005 準決勝1R10分、2R5分
1R 6分42秒 TKO(グラウンドでのパンチ)
 ミドル級の新世代対決、「どちらが真の新鋭かハッキリさせよう」と両者のテーマは決まっている。裏テーマは「最強ヒザ蹴り決定戦」。
「ボクは自分のムエタイに自信を持っている。そういう事よりも、僕は自分のアカデミーがナンバーワンである事を証明したいんだ」と意に介さないショーグンに対して、「もちろん、僕のヒザ蹴りのほうが上だ」と言い切るアリスター。作戦的にも「距離を詰めて相手のリーチの長さを殺す」と接近戦を狙うショーグンに対して、「今回はカウンターに力を入れてきた」というアリスター。
 ショーグンはパンチが強く、アリスターはパンチに対して打たれ脆い部分を持つ。しかし、ショーグンのヒザ蹴りテクニック(首相撲を含む)よりもアリスターのヒザ蹴りテクニックの方が上だ。さらに言えば、テイクダウン能力はショーグンの方が上で、一発で関節技を極められる力を持っているのはアリスター。それぞれに優劣があり、他のファイターたちが「この試合の勝敗を予測するのは難しい」と言うように、最も勝敗が読めない接戦であるといえよう。
 シャドーボクシングをしながらアリスターが登場、セコンドの女性がオランダ国旗を振り、アリスターはハンマーを肩に担いで微笑を浮かべながらリングへ向かう。一方、目の前で兄弟子シウバが敗れる衝撃シーンを見せ付けられたショーグンだが、非常に物静かな表情で登場、にっこり笑って両手を挙げる。隣では兄ニンジャがさかんに檄を飛ばす。

第2試合 PRIDE GRAND PRIX 2005 準決勝1R10分、2R5分
2R終了 判定 3-0
 因縁の対戦がGP準決勝で実現! 数年前に起きたレストランでのいざこざが事の発端となり、対戦が決まって以来、互いに「アイツは気に入らない」と公言してきたシウバとアローナ。来日した時点で二人の舌戦は始まっていた。
 先に仕掛けたのはアローナ。「自分を虎だとするなら、シウバはハイエナ。見た目が美しくないし、あいつらは群れて行動する」と、シウバとシュート・ボクセを罵倒したのだ。アローナの囲み取材後、「ハイエナは虎よりも強い」と笑って返す余裕を見せていたシウバだったが、試合の前日に行われたオフィシャルインタビューではアローナに対するイライラが爆発。「アイツの事は本当に嫌いだ。レストランで揉め事を起こす前にも、俺が挨拶した時にアイツは無視しやがった。あの時の決着は明日つけてやる」とコメント。シウバはGPで倒してきた相手の数だけ、頭に刈り込みのラインを入れているのだが、吉田・中村に続いてすでにアローナの分まで刈り込んである。「アローナには絶対に勝つから」と、まるでアローナごとき問題ないと言いたげな表情を浮かべた。
 前日インタビューで怒りをぶちまけたのはシウバだけじゃない。アローナも「試合前に『殺す』だの『顔面を踏み潰す』など言うものではない。シウバのそういうところも気に入らないんだ。レストランで揉め事を起こす前からアイツのことは嫌いなんだよ」と吼えた。
 そして公開計量時に事件が起こった。計量を無事にパスした二人は、フォトセッション時にリクエストをされる前から激しい睨み合いを展開。司会者がフォトセッションを打ち切ろうとしても、二人は睨み合いをやめようとはしない。それどころか席に戻る途中で立ち止まり、再び睨みつけるのであった。
 もはや二人の気持ちはレッドゾーン。決勝に勝ち残るために少しでもダメージを残さずに戦おうという気持ちはこの二人にはない。どちらかが倒れて動けなくなるような、そんな激しい試合になる事は確実。PRIDE史上類を見ない遺恨試合の幕が開く!
 シュート・ボクセで武者修行中の桜庭から譲り受けたベースボールキャップとSAKUベルトを手に入場するシウバ。アローナの非情な攻撃で敗れ去った桜庭の思いと共にシウバはリングに上がった。

第1試合 PRIDE GRAND PRIX 2005 リザーブマッチ1R10分、2R5分
2R 終了 判定 3-0
「自分はリザーブマッチですけど、本当に優勝を狙っています。どっちかが怪我をして決勝には出られない事を祈ってます」と言うのはカズ。大逆転のミラクル優勝を本気で狙っているのだ。そのためには、ボブチャンチンを降す事が最大にして最低条件。
「新旧対決です。世代交代をキッチリしておかないと」と、ミドル級の世代交代もかけている。そのためにオーストラリアへ渡り、マーク・ハントと20Rに及ぶスパーリングをこなしてきた。「ロシアンフックがどれだけ速いのかは、やってみないと分からない」と不安材料はあるが、「ロシアンフックをもらって倒れた人はいっぱいいるけど、倒れてない人もいっぱいいるじゃないですか」と自分の打たれ強さに自信を持っているようだ。
 一方のボブチャンチンは、前回のアリスター戦ではオーバーワーク気味だった事を明かし、今回はたっぷり休養をとって万全の状態に仕上げてきたという事で、自信に満ち溢れた表情。「中村のボクシング・テクニック?ゼロだね(笑)」と余裕を見せ、打ち合ってのKO勝利を宣言する。また、「中村の柔道テクニックはいいものを持っている」と言いながらも、「ボクも柔道の経験があるからね」とこちらも自信満々。
 GP決勝戦へ望みを繋ぐのは、世代交代を目論むカズか、それとも自信に満ち溢れるボブチャンチンか?
 まずはボブチャンチンが入場、両手を大きく上げて歓声に応えると、やや早足で花道を進む。すでにうっすらと汗をかいており、十分なウォーミングアップをしてきた事が伺える。これまで日本人に負けた事のないボブチャンチンが、さらにVS日本人連勝記録を更新するのだろうか。
 一方、試合前のVTRで前回シウバ戦の道衣を脱いだ行為を散々茶化されたカズだが、入場時にはいつもの青い道衣を着ている。両手を挙げて歓声に応えると、花道の途中で微笑しながら道衣を脱いだ!「今回は着ないよ」とばかりに、道衣を両手に持ってアピール。セコンドにはストライカーの長南亮、キックボクシングのコーチである小野寺力会長が就いている。
大会名称PRIDE GRANDPRIX 2005 決勝戦
開催日2005年08月28日
会 場さいたまスーパーアリーナ