柔道VSボクシング。究極の異種格闘技戦と称される試合は、戦前から西島のボクシンググローブや地下足袋の着用の要求など、明らかにその他の試合とは一線を画す独特の緊張感があふれる試合となった。結果的にボクシンググローブの着用も認められず、西島はシューズを履くことに落ち着いたのだが、こういった試合前の心理戦こそ、まさに“異種格闘技戦”である。
しかしそんな周りの喧騒はよそに試合前の吉田は「心境はいつもと変わらないですね。平常心です。練習も普通にいつも通りやってきました。ボクシンググローブについても、全く気にしていなかった。さっき言われて“あ、そうなんだ”って思い出したくらい」と至って冷静だった。また西島のパンチをシウバやハントと違い的確だと評価する吉田するものの「自分は前に出ます。下がったら絶対にやられる。ガードを挙げてパンチを打ちに行って前へ出れば、当たってもそう簡単には倒されませんよ」と西島のパンチに対して余裕も見せる。
対する西島は一連の要求に関して「ボクシンググローブでもオープンフィンガーでも、どちらでもよかった。ボクシンググローブの方がパンチが効くので、出来るならそっちでやりたいと思っただけですから。地下足袋は履きません。ボクシングシューズに改良を加えたものを特注しました。特に理由はないんですが、慣れているのでそっちの方がいいかなと思って」と語り、吉田対策としてユン・ドンシクを相手に道衣対策を積んできたという。いつものように言葉数は少ない西島だが「ボクシングが優れた格闘技である事を証明したいです」と話し、この異種格闘技戦に向けて、ジャンルを背負っている人間の決意を感じさせた。
その決意を感じさせるように西島は真っ白なガウンに真っ白なボクシングパンツで入場。吉田はいつも通り柔道衣を着用としてのリングインとなった。