5年という月日を経て、PRIDE完全無欠のヘビー級王者ヒョードルと日本ヘビー級最後の切り札・高阪が再び拳を交える。
2000年12月、リングスのKOKトーナメントで対峙した両者。高阪はヒョードルから、「先に行かないとやられる」というプレッシャーを感じた。その瞬間から、高阪は後に訪れるヒョードル最強時代を予感したという。しかし、両者のすれ違いは一瞬だった。開始直後に放った両者のパンチが交差し、ヒョードルが右目尻をカット。17秒で高阪のTKO勝利となった。ヒョードルに黒星がついたのは、後にも先にもこの一戦のみである。
「あれは反則のヒジ打ちだった。再戦も組んでくれなかった。フェアな結果ではない」と主張するのはヒョードル。「今回の対戦ではアクシデントすらなくしたい」と、完璧な勝利を誓う。いつものように口数の少ないヒョードルだったが、高阪戦の黒星を「過去の汚点」とし、今回の試合をリベンジマッチと考え燃えている。
高阪は「やる事は全てやってきた」と練習の成果に満足そうな笑顔を浮かべた。「自分でもリング上で何をするか分からない」とワクワクした表情で語り、「ヒョードルの欠点はチェックした。全て頭の中に入っている」とカード発表記者会見から変わらない、強気の姿勢を見せる。
「私の弱点を発見できて良かったですね。おめでとう。でも、一番大事な事は見つけた事を実行する前に倒されない事ですよ」と、高阪の発言にも動じないヒョードル。氷の皇帝が揺るぎなき牙城を守るのか、それとも高阪が“奇跡”を起こすのか?
高阪はなんと日本刀を持っての入場! 気合い満点の表情で、ついにPRIDEのリングへ初めて足を踏み入れた。セコンドには吉田秀彦、横井宏考の姿が見える。場内が真っ赤なライトで覆いつくされ、ヒョードルがうつむきながらゆっくりと入場。チャンピオンの風格が漂う。リングインすると顔を上げ、高阪を冷たい瞳で真っ直ぐに見つめた。