入場式で中村はにっこりと笑い、両手の親指を立てて何度もガッツポーズ。対するシウバもツルツルに剃りあげたスキンヘッドを光らせながら、満面に笑みを浮かべて声援に応える。
「ブラジルへ行ってまた強くなったかな、って思う」と中村。2度目のブラジル武者修行、中村はその成果に確かな手応えを感じているようだ。柔術の強豪でプロ修斗の世界チャンピオンにもなったビトー・“シャオリン”・ヒベイロが打倒シウバのためのアドバイスをくれ、中村自身にも対戦が決定してからずっと練習してきたという“秘策”がある。さらに、今回は吉田秀彦が初めてと言っていいほど付きっ切りで練習やアドバイスをしてくれたという。
「秘策ですか…調子のいい時と悪い時があるんですよね(苦笑)。でも、自信はあるので勝ちに行きます」と中村。「僕が有利だと思うのは…若さ(笑)。本当はあるんですけれど、言うと決まりそうにないので言いたくありません。試合で見せます」と多少ナーバスになっている感もあったが、策はいっぱいあるようだ。あとはその策を実戦の場でどう巧く使うか、だ。
一方、シウバは開幕戦とは違ってリラックスした表情で中村戦の事を語った。「自分にとって若いファイターと闘うのはいい事だと思っている。これからも若いファイターとどんどん闘っていきたいよ」と胸を貸すという心境のようだ。「前回は吉田をKO出来なかったから、今回は中村を必ずKOする。それも失神KOだ。必ずKOする」と絶対KO宣言。「中村はパンチがとても良くなっている。しかし、私はもっと強いパンチを打って倒す」。
絶対王者がその揺ぎ無い自信と実力で、下から追い上げてくる若武者を粉砕するのか。それとも、中村が“秘策”を炸裂させて歴史に残る大番狂わせを起こすのか。無謀なる挑戦か、それとも中村の勇気が奇跡を呼ぶのか? 注目のメインイベント、いまゴング!
「ニッポン、チャチャチャ」という出だしで始まる入場テーマ、中村が青い柔道着を着て、タオルを頭からすっぽり被って登場。花道の途中で柔道着を脱ぎ捨てると、なんと下からは袖を切った柔道着が。帯には外れないようにテーピングが施されている。
続いてシウバが、入念にウォーミングアップしたと見えて汗をかきながらの入場。両手を大きく上げて、威厳たっぷりである。軽く下なめずりするシウバ。中村はその間に、上は柔道着、下はトランクスという格好になっている。