和製ヘビー級ボクサーとして日本中の話題を集めた西島洋介が、いよいよPRIDEでデビュー戦を行う。今回の試合に備えて西島は、ミルコのチーム・クロコップ、マット・ヒュームのAMC、オランダの名匠ルシアン・カルビンのジムと海外武者修行を繰り返した。オランダではヒョードルとも接触したという。
「僕は95kgくらいですが、ハントとの体の大きさの違いはあまり関係ありません。ハントのパンチはとても威力があるし、体重差も関係してくるとは思いますが、思い切りやるだけです」と、西島は静かに語る。「デビュー戦までの練習期間は長かったような短かったような……でも、悔いはありません。試合をする準備まで出来ています。パンチが当たれば倒せる自信はあります。僕の試合ではただパンチを振り回すのではない、ボクシングのテクニックを見てください」と、虚勢を張る人間ではないためその言葉には真実味がある。
ハントはこれまで3度しかダウンを喫した事がない。いずれもK-1王者になった後の事で、慢心がその原因ではないかと言われている。無差別級GPへ向けてモチベーションを高めているこの時期、同じ過ちを繰り返すとは思えないが……西島の言うとおり、ボクシングの正確に相手の急所をピンポイントで打ち抜く技術があれば、体重差を殺す事が出来るに違いない。
予想は西島不利。しかし、ボクシングのヘビー級という日本人にとって未知なる領域に踏み込み、敢然と立ち向かって行きついには世界のベルトを手にした西島である。PRIDEのリングでも不可能を可能にするかもしれない、との期待が高まる。“シンデレラマン”となる事が出来るか!?
まず最初に西島が入場。フードを頭からすっぽり被り、ゆっくりとリングへ歩を進める。「夢を掴め」西島の日本語の入場曲の歌詞が、悲壮感溢れる佇まいの西島にそう呼びかけた。ハントは対照的に明るいテンポの入場曲で、笑顔を浮かべながらリングイン。四点ポジションでのヒザ蹴りは西島が認めた。リング中央で顔を合わせた両雄だが、目は合わせない。